丸紅、米リフト・エアクラフトが開発・製造する空飛ぶクルマの実証飛行実施

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年03月15日

丸紅は3月14日、米国のリフト・エアクラフト(本社:テキサス州オースティン)が開発・製造する1人乗り電動垂直離着陸機(eVTOL、注)を用いて、上下飛行や旋回飛行などの複数の飛行パターンを有人で行う実証飛行を大阪城公園内野球場で実施したと発表した。

発表によると、実証飛行は航空局の許可を得て屋外スペースで実施され、パイロットが搭乗して操縦する空飛ぶクルマを飛行させるのは、日本で初めての取り組みという。この実証飛行での操縦については、航空機一般の特性を理解し、航空法規や気象・運航に関する一定の知識を有していることに加え、独自の訓練・試験に合格したリフト社発行の操縦資格を有している操縦者を採用した。

今回の実証飛行は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に向けた実証実験で、空飛ぶクルマの有用性や利便性、新たなビジネスの創出・拡大への期待を多くの人々へ発信することで、社会受容性の向上に貢献することを目的としており、計画された飛行パターンを全て成功させたとしている。

今後、両社は電動で気候変動対策に大きく寄与する空飛ぶクルマの実装に向けた取り組みを加速させ、空の移動がより安全で身近な社会を創造すると同時に、低炭素化・脱炭素化を含む気候変動対策に貢献する方針だ。

丸紅は脱炭素化に向けた取り組みを進めており、直近では2022年10月に、脱炭素社会実現に資する電力インフラの課題解決に向け、米国ラインビジョンに出資して戦略的パートナーシップを締結したほか(2022年10月6日記事参照)、バイオ燃料によるエチレン船の試験航海実施を発表している(2022年10月14日記事参照)。2月には電気自動車(EV)用リチウムイオン廃電池のリサイクル事業参画に向け、米国サーバへの出資を発表した(2023年2月13日記事参照)。

(注)機体サイズ:全長4.5メートル、高さ2.6メートル、機体総重量:最大約221キログラム、積載量:約113キログラム、巡航速度:時速約40~100キロ、飛行時間:約10~15分。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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