華東地域3省の2022年GRP成長率、当初目標は未達

(中国)

上海発

2023年02月06日

中国の華東地域3省(江蘇省、浙江省、安徽省)の各統計局の発表(注)によると、2022年各省の域内総生産(GRP)は、江蘇省が前年比2.8%増の122,876億元(約2457,520億円、1元=約20円)、浙江省が3.1%増の77,715億元、安徽省が3.5%増の45,045億元となった(上海市の統計は2023年1月31日記事参照)。

3省の成長率は、いずれも年度当初に設定していた目標(江蘇省5.5%以上、浙江省6%前後、安徽省7%、2022年7月28日記事参照)には届かなかった。なお、中国全体のGDP成長率(3.0%、2023年1月20日記事参照)に比べると、浙江省と安徽省は上回ったが、江蘇省は下回る結果となった(添付資料表参照)。

各省統計局は2022年の総括や2023年の目標を次のように示した。

江蘇省は、経済は回復傾向にあるが、国際情勢は引き続き複雑で、需要の縮小・供給のショック・期待の低下の「三重の圧力」は依然として大きく、経済全体の好転には困難な状況が続いているとした。2023年の目標については、GRP成長率5%前後、消費者物価指数(CPI)の上昇率を3%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率をGRP成長率と同水準に設定。重点項目として、消費市場の拡大、生態環境保護の強化、改革開放の推進などを挙げた。

浙江省は、2023年が第145カ年(20212025年)規画における重要な年になると位置付けたうえで、国の政策に基づき、高品質な発展を主要任務とし、安定的な経済成長を推進するとした。2023年の目標については、GRP成長率を5%以上、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率をGRP成長率と同水準、CPI上昇率を3%以内に設定。2023年の重点項目として、デジタル産業化の推進、消費の拡大、グリーン・低炭素プロジェクトの強化などを挙げた。

安徽省は、2022年の主要経済指標は全国および長江デルタに対し先行したが、これは容易な結果ではなく、現在も外部環境の複雑化、実態経済の困難さがあり、経済回復の基盤は依然として強固なものとはいえない状態だとした。2023年の目標については、GRP成長率6.5%前後、社会消費品小売総額の伸び率を9.5%、固定資産投資の伸び率を10%以上とした。また、貿易総額を12%増、外商直接投資を15%増、CPIの上昇率を3%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率を都市部で7%、農村部で8%に設定した。2023年の重点項目には、ビジネス環境の最適化の継続、外資企業誘致の強化などを挙げた。

(注)江蘇省は120日、浙江省は119日、安徽省は120日に発表。

(宋青青)

(中国)

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