2022年の実質GDP成長率は3.0%、第4四半期は前年同期比2.9%

(中国)

北京発

2023年01月20日

中国国家統計局の117日の発表によると、2022年の実質GDP成長率は前年比3.0%と、前年(8.4)から5.4ポイント縮小し、20223月の全国人民代表大会(国会に相当)で設定された5.5%前後という目標には達しなかった(注1)。2022年第4四半期(1012月)の成長率は前年同期比2.9%と、第3四半期(79月)の同3.9%より伸びが鈍化した(添付資料図参照)。

主要経済指標をみると、投資(固定資産投資)は、不動産開発投資が前年比10%のマイナスに転じる中、インフラ投資が10%近い伸びを示したことにより、全体では前年比の伸びが加速した。消費(社会消費品小売総額)2020年以来2年ぶりに減少に転じた。財の消費が0.5%増だった一方、飲食収入は6.3%減となった。財の中では、油・食品、飲料といった生活必需品の消費が安定的な成長を保った一方、需要がより弾力的な衣類や化粧品、宝石類の消費は前年よりも落ち込んだ。インターネット上の実物消費は拡大し、消費全体に占める比率は前年比2.7ポイント上昇して27.2%となった。

このほか、消費者物価上昇率は2.0%に抑えられたほか、都市部の調査失業率や新規就業者数といった雇用指標では、2022年の目標を達成した(添付資料表参照、注2)。また、実質可処分所得の前年比伸び率は2.9%と、実質GDP成長率とほぼ同水準となった(3)

国家統計局の康義局長は消費の不振について、新型コロナウイルス感染拡大が集団性・接触性の消費に大きく影響を与えたほか、市民の消費意欲が低下したことも大きかったと指摘した。その上で、内需の拡大が2023年の経済関係業務の重点(4)であり、国務院などが打ち出している一連の消費促進策(5)により、12月の消費は前年同月比で減少したものの、減少幅は前月より4.1ポイント縮小(6)するなど、消費が回復傾向にあるとの見方を示した。また、新型コロナ防疫措置の合理化による生産活動や市民生活の回復によってリアル消費やサービス消費が徐々に回復することや、経済好転による雇用改善(7)や所得増加が市民の消費能力や消費意欲を高めることに期待を示した。

国金証券の趙偉チーフエコノミストは、新型コロナ防疫措置の合理化以降に消費は全体的に回復のトレンドにあるとして、2023年の消費の伸びを7%と予測した。一方、新型コロナ感染拡大期間中、中間層の行動パターンが借り入れを増やしてまで消費を増やさない方向に変化している場合、同層の消費の回復は遅れる可能性があるとの見方を示している(21世紀経済報道」117) 

(注12022年の実質GDP成長率の需要項目別寄与度は、総固定資本形成(投資)が1.5ポイント(寄与率50.1)、最終消費支出(消費)が1.0ポイント(32.8)、純輸出(外需)が0.5ポイント(17.1)となった。

(注22022年の貿易統計に関しては、2023120日記事参照

(注3)国家統計局が117日に発表した統計のうち、人口関係の内容については2023年1月18日記事参照

(注4202212月に開催された中央経済工作会議で、2023年の経済面の重点政策の筆頭に「国内需要を着実に拡大させる」を置き、消費の回復と内需拡大を重視する姿勢を示した(2022年12月20日記事参照)

(注5)中国共産党中央委員会と国務院は1214日、「第145カ年規画および2035年までの長期ビジョン」に基づき、「内需拡大戦略規画綱要(2022~2035年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。綱要には消費の促進やグレードアップ、新型消費の育成、環境に優しい消費の提唱、製造業投資の支援、新型インフラ投資、新産業新製品の発展、生産要素の市場化レベルの引き上げ、共同富裕、食糧・エネルギー・産業チェーンの安全保障などに関する内容が盛り込まれた。

(注612月の消費の内訳をみると、財の消費は前年同月比0.1%減と前月(5.6%減)から回復したものの、飲食収入は14.1%減となり、前月(8.4%減)から減少幅が拡大した。

(注7)国家統計局の康局長は、12月の都市部調査失業率が前月比で改善したことについて、農民工(出稼ぎ労働者)の帰省や新型コロナ感染者の自宅療養などにより労働参加率が低下したことが主因と分析した。2023年の雇用情勢については、企業の人材需要の回復や、宿泊・飲食・旅行など雇用吸収力が高いサービス業の回復などにより、全体として改善すると見通している。

(小宮昇平)

(中国)

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