江蘇省・浙江省・安徽省、上半期の経済はプラス成長も伸び率は鈍化

(中国)

上海発

2022年07月28日

中国の江蘇省統計局は722日、浙江省統計局と安徽省統計局は725日にそれぞれ2022年上半期の主要経済指標を発表した。各省の域内総生産(GRP)は、江蘇省は前年同期比1.6%増の56,909億元(約1138,180億円、1元=約20円)、浙江省は2.5%増の36,222億元、安徽省は3.0%増の21,764億元だった。安徽省は中国全体のGDP成長率(2.5%増、2022年7月19日記事参照)を上回ったが、浙江省は同水準、江蘇省は下回る結果となった(詳細は添付資料表参照)。

江蘇省は一定規模以上の企業(注1)による工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比2.1%増となった。産業別にみると、自動車製造業が21.6%増、医薬製造業が16.1%増、コンピュータ・通信およびその他電子設備製造業が12.9%増、電気機械および器材製造業が12%増だった。また、ハイテク製造業の同増加額は9%増となり、このうち、新エネルギー製造業が力強く伸びた。製品別にみると、リチウムイオン電池製造、太陽光発電設備および部品製造、新エネルギー車はそれぞれ39.8%増、33.5%増、45.1%増だった。

浙江省の一定規模以上の企業による工業生産増加額は前年同期比5.5%増だった。産業別にみると、戦略性新興産業(注2)、ハイテク産業、工業設備製造業はそれぞれ11.7%増、6.7%増、6.3%増となり、高い成長になった。

安徽省の一定規模以上の企業による工業生産増加額は前年同期比5.6%増だった。業種別にみると、鉱業が5.8%増、製造業が4.8%増、電力・熱力・ガスおよび水の生産供給が15.1%増、ハイテク製造業が11.8%増、工業設備製造業が11.4%増となった。

華東地域3省のGRPはプラス成長となっているが、202245月に上海市において封鎖管理が行われたことが影響し、前年同期に比べ伸びが減速している(2021年8月4日記事参照)。特に消費については、社会消費品小売総額が江蘇省は3.7%減と、中国全体の0.7%減よりもマイナス幅が大きく、安徽省も0.3%減だった。浙江省は2.0%増とプラスを維持したものの、低い伸びにとどまった。

なお、2022年のGRP成長率については、江蘇省が5.5%以上、浙江省が6%前後、安徽省が7%の目標を掲げている(2022年2月10日記事参照)。

(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(注2)次世代情報技術、バイオ医薬、デジタル経済、ハイレベル設備製造、新素材、海洋経済、グリーン低炭素を指す。

(宋青青)

(中国)

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