2022年のeコマース小売り販売額は前年比23%増、インドに次ぐ伸び

(メキシコ)

メキシコ発

2023年02月17日

メキシコ・オンライン販売協会(AMVO)は2月9日、「オンライン販売調査2023」と題した調査レポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。これによると、2022年のeコマースによる小売り販売市場規模は前年比23%増の5,280億ペソ(約3兆8,016億円、1ペソ=約7.2円)に達し、主要国の中での伸びは、インドネシア(34%)、フィリピン(26%)、インド(25%)に次ぐ4番目の高さを記録した。メキシコのeコマースの市場規模は、新型コロナ禍の巣ごもり需要によるインターネットの普及拡大(2022年9月14日付地域・分析レポート参照)が牽引し、2020年に81.0%増、2021年に27.0%と急拡大したため、2022年は新型コロナウイルス感染の落ち着きにより減速が予想されたが、前年と大差ない堅調な伸びを見せた。デジタル購入人口(インターネットを通じて商品やサービスを購入する人口)も2022年に6,330万人に達し、過去5年間で約1.7倍に拡大している。2022年央時点の人口推計値(1憶3,000万人)から計算すると、国民の約半数がeコマース利用者となる。

人口の77.0%に及ぶインターネット利用者の9割以上がeコマースを利用しているが、その活用動機については、「自宅で受けとれる」が58%と最多、「店舗への移動時間・距離の節約」(49.0%)、「どこにいても購入可能」(42.0%)と続くが、「実店舗にはない商品が買える」(41%)、「実店舗よりも値引きなどが多い」(36%)など、昨今のECプラットフォームの充実が反映されている。また、外国のECサイトを利用した比率も76%に達している(添付資料表参照)。

EC化率は13.4%、依然として大きな伸び代

同調査報告書は、メキシコの小売り販売総額に占めるeコマースの比率(EC化率)は2022年時点で13.4%と日本を上回り、米国の水準に近づいたが、45%を超える中国や、30%弱のインドネシア、韓国には遠く及ばず、今後の伸び代も大きいとしている。デジタル購入者の満足度や、オンライン購入の安全性に対する信頼感も上昇傾向にあるため、銀行口座普及などメキシコが他国に比して遅れている金融包摂の課題(2022年10月13日付地域・分析レポート参照)が改善していくに伴い、eコマースの市場規模拡大も続くものとみられる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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