四川省と重慶市の2022年経済指標、電力制限や新型コロナの影響出る

(中国)

成都発

2023年02月01日

中国・四川省統計局の118日の発表によると、2022年の同省の域内総生産(GRP)は56,7498,000万元(約1078,246億円、1元=約19円)で前年比2.9%増となり、中国全体(3.0%、2023年1月20日記事参照)とほぼ同水準の成長率だった(添付資料図1参照)。

主要経済指標をみると、工業生産増加額(付加価値ベース)は前年比3.8%増となり、その伸びは中国全体の3.6%増を上回った。12月単月では前年同月比7.5%増と、電力制限による企業活動の停滞の打撃を大きく受けた8月(11.0%減、2022年8月23日記事参照)を底に回復基調が続いている(添付資料図2参照)。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大を受けて大規模な外出制限が行われた9月も、官民一体となった生産維持への努力により5.6%増を確保した(2022年9月6日記事参照)。投資(固定資産投資)は前年比8.4%増と中国全体の伸び率(5.1%)を大幅に上回ったが、不動産開発投資は4.2%減となった。消費(社会消費品小売総額)は0.1%減で、中国全体の0.2%減とほぼ同水準の減少幅になったものの、飲食業収入は10.1%減と中国全体の減少幅(6.3%減)を3.8ポイント下回った。電力制限や新型コロナ感染拡大による外出制限が外食産業に大きな影響を及ぼした。輸出入総額は6.1%増の1767,000万元となり、初めて1兆元を超えた。うち、輸出額は9.2%増の6,2151,000万元、輸入額は1.3%増の3,8616,000万元となった。

重慶市統計局は119日、同市の2022年の主要経済指標を発表した。同市の2022GRP29,129300万元で前年比2.6%増となり、中国全体(3.0%増)の成長率を下回った。工業生産増加額(付加価値ベース)は3.2%増だった。電力制限が行われた8月(前年同月比18.2%減)と新型コロナ感染拡大による外出制限が行われた11月(8.1%減)に工業生産が停滞したことなどが足かせになった(2022年11月15日記事参照)。固定資産投資は前年比0.7%増と低い伸び率にとどまっている。社会消費品小売総額は0.3%減だった。輸出入総額は2.0%増の8,1584,000万元となり、伸び率は中国全体(7.7%)を5.7ポイント下回った。

四川省に隣接する雲南省について、同省統計局は120日、2022年のGRP28,9542,000万元で前年比4.3%増と発表した。同省は工業生産増加額、固定資産投資、社会消費品小売総額などの指標で、中国全体と比べて相対的に高い伸び率がみられた。また、貴州省統計局は120日、2022年の同省のGRP21645,800万元で、前年比1.2%増と発表した。

(趙玉蘭)

(中国)

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