米プラグパワーと二コラ、グリーン水素供給契約締結

(米国)

ヒューストン発

2022年12月16日

米国の燃料電池システム開発のプラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は12月15日、米国の大型商用電気自動車(EV)メーカーのニコラ(本社:アリゾナ州フェニックス)とグリーン水素(注)を供給する契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、プラグパワーは2023年1月1日からニコラにグリーン水素を供給し、供給量は日量最大125トンまで拡大する。プラグパワーはグリーン水素の需要増加に応えるため、2025年までに北米で日量500トン、2028年までに全世界で日量1,000トンのグリーン水素の製造を目指している。

ニコラは同社のアリゾナ州の水素ハブ向けに、日量30トンの水素液化装置1基をプラグパワーに発注している。プラグパワーが設計・製造する液化システムが水素ハブの第1フェーズに使用され、日量最大150トンまで供給能力を拡大できる可能性があるという。ニコラは2026年までに日量最大300トンの水素を供給し、最大60基の水素供給設備を整備する計画だ。

プラグパワーはグリーン水素の普及促進に積極的に取り組んでいる。8月に米国のニュー・フォートレス・エナジーとテキサス州にグリーン水素製造の施設建設を発表したほか(2022年8月12日記事参照)、9月にフランスのライフと世界初の洋上風力発電施設でのグリーン水素製造を発表した(2022年9月27日記事参照)。10月には米国のオーリンとルイジアナ州にグリーン水素製造施設の建設に向けた合弁会社の設立(2022年10月21日記事参照)、食品物流施設のフォークリフト用に燃料電池とグリーン水素供給設備の提供(2022年10月21日記事参照)を発表している。

(注)水素はその製造方法によって(1)化石燃料を燃焼させたガスを改質することで製造する「グレー水素」、(2)グレー水素製造工程で排出された二酸化炭素(CO2)を回収し貯留または利用(CCS、CCUS)することでCO2排出を抑える「ブルー水素」、(3)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない「グリーン水素」などに分かれる。

(沖本憲司)

(米国)

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