米プラグパワーとフランスのライフ、世界初の洋上施設でのグリーン水素製造へ

(米国、フランス)

ヒューストン発

2022年09月27日

米国燃料電池システム開発プラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は9月23日、フランスのグリーン水素(注1)製造大手ライフ(本社:ナント)と、フランスで世界初の洋上施設でのグリーン水素製造を行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、プラグパワーの水電解装置(注2)で用いる電力が、洋上風力発電からの電力に活用される。本水電解装置は、浮体式の洋上施設で稼働し、加速度、傾斜などにおいて洋上仕様に適合するよう製品化されているという。洋上施設でのグリーン水素製造の実用化に向けて、両社はこのプロジェクトを桟橋で6カ月間、その後沖合で12カ月間運用する予定だ。

プラグパワーのアンディ・マーシュ最高経営責任者(CEO)は、陸上だけでなく洋上でもグリーン水素製造が可能であることを示すことができる、と今回の協業の意義を強調している。

プラグパワーは、米国のグリーン水素の製造に積極的に取り組んでおり、2022年8月に、米国のニュー・フォートレス・エナジーとテキサス州に120メガワット(MW)の商用規模のグリーン水素製造の施設建設(2022年8月12日記事参照)、米国のアマゾンと2025年からアマゾンの輸送および施設業務用に年間1万950トンのグリーン水素を供給する契約締結(2022年8月29日記事参照)を発表している。

(注1)水素はその製造方法によって(1)化石燃料を燃焼させたガスを改質することで製造する「グレー水素」、(2)グレー水素製造工程で排出された二酸化炭素(CO2)を回収し貯留または利用(CCS、CCUS)することでCO2排出を抑える「ブルー水素」、(3)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない「グリーン水素」などに分かれる。

(注2)固体高分子電解質(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)を用いて水を電気分解することにより、グリーン水素を製造する技術。

(沖本憲司)

(米国、フランス)

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