太平洋同盟首脳会合、ペルーで12月14日に開催決定

(メキシコ、ペルー、コロンビア、チリ、太平洋同盟)

メキシコ発

2022年12月01日

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は1130日の早朝記者会見で、20221214日に太平洋同盟首脳会合に参加するため、ペルーを訪問することを発表した。1125日に開催予定だったメキシコでの太平洋同盟首脳会合がぺルーのペドロ・カスティージョ大統領の渡航中止により延期になったため、議長国であるメキシコが次期議長国のペルーに引き継ぐべく、AMLO大統領がペルーに訪問する(2022年11月24日記事参照)。

首脳会合の延期を受け、AMLO大統領はチリ、エクアドル、コロンビアとの2国間の首脳会談を実施した。1123日は、チリのガブリエル・ボリッチ大統領と2国間首脳会談を行い、政治・教育・文化・経済に関する議題だけでなく、環境問題や気候変動、貿易投資についても協議したと共同会見で語った。24日にはエクアドルのギジェルモ・ラッソ大統領と会談し、2国間の新しい貿易協定を推進することに合意し、2国間交渉が終了次第、太平洋同盟の加盟プロセスに入ることを再確認した(「レフォルマ」紙1124日)。両国の自由貿易協定(FTA)交渉では、マグロ・エビ・バナナ・金融サービスにおける合意がなされていないため、FTAの締結が遅れていた。25日にはコロンビアのグスタボ・ペドロ大統領と会談し、麻薬対策・クリーンエネルギー・貿易・移民政策などに関して合意した。麻薬対策では、両国が麻薬撲滅の失敗を再認識し、麻薬政策の再設計を目的としたラテンアメリカ首脳会合を実施することを決定した。また、コロンビアが、ラテンアメリカの統合を実現するために、クリーンエネルギーによる電力の相互接続に関する作業計画を開始するべきと提案した(「レフォルマ」紙1125日)。

さらに、1125日には太平洋同盟の閣僚会合が行われ、メキシコのマルセル・エブラル外相が「太平洋同盟は機能している。機能していない同盟は加盟申請もない。今日の会合では、われわれの同盟に参加したい国々(注)の話を聞くことだった。太平洋同盟の拡大が加速しており、その点において成功している」と発言した(「エル・エコノミスタ」紙1125日)。

(注)シンガポールは、20221月に太平洋同盟と単一のFTAを締結し、準加盟国となった(2022年1月28日記事参照)。カナダと韓国は、準加盟国候補として協議を進めている(2022年1月28日記事参照)。エクアドル、コスタリカ、ホンジュラスは、正規加盟国となるために現加盟国4カ国とのFTA交渉を進めている(2021年4月28日記事参照)。

(阿部眞弘)

(メキシコ、ペルー、コロンビア、チリ、太平洋同盟)

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