10月の乗用車販売は28.6%増の29万台、6カ月連続でプラス成長

(インド)

ベンガルール発

2022年11月22日

インド自動車工業会(SIAM)は1111日、自動車統計(出荷ベース)を発表した。202210月単月の乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比28.6%増の291,113台となり(添付資料表1参照)、9月の増加率(91.9%)ほどではないものの(2022年10月26日記事参照)、5月以降6カ月連続でプラス成長を記録した。20224月~10月の乗用車販売台数は前年同期比38%増の2227,853台だった。また、自動車全体(乗用車、二輪車、三輪車)の10月単月販売台数合計は、前年同月比6.2%増の1923,032台だった。

SIAMのビノド・アガワル代表は、一般乗用車の販売台数増加について、好調な市場環境と祝祭シーズンの押し上げによるものとみている。一方で、インフレーションと金利の上昇が農村部の市場に大きな影響を与え(2022年10月112022年11月2日記事参照)、二輪車の成長率はわずかなものにとどまっている、と危機感を示した。

部門別でみると、一般乗用車は前年同月比35.7%増の14926台、UV26%増の141,254台と順調に販売台数を伸ばした一方、バンは14.2%減の8,933台と1万台を切った。

メーカー別乗用車販売をみると、首位マルチ・スズキの販売台数は前年同月比28.8%増の14337台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは60.4%増の32,298台と大きく伸ばした。韓国の現代は29.7%増の48,001台、起亜は42.8%増の23,323台を販売した。日系では、トヨタ・キルロスカが5%増の13,068台、ホンダが17.7%の9,543台といずれも増加した(添付資料表2参照)。なお、地場のタタ・モーターズはSIAM10月単月の統計には含まれていないが、同社発表によると45,217台(前年同月比33%増)を売り上げたもようだ。

車種別の販売台数上位は、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計73,685台)、同ミニモデル(「アルト」など計24,936台)などが占めた。またUVでは、マヒンドラ&マヒンドラ(「ボレロ」など計18,720台)、スズキ(「ブレッツァ」など9,941台)、現代(「べニュー」など計9,585台)といった、コンパクトUVの売れ筋傾向が続いている。

10月単月の二輪車販売は1577,694台で、前年同月比1.6%の増加となった(添付資料1,3参照)。主要部門のオートバイは102295台を売り上げ0.2%増とほぼ横ばい、スクーターは6.9%増の512,761台と販売台数を伸ばしたが、モペッドは19.4%減の44,638台と売れ行きが失速する傾向が続いた。

(松田かなえ)

(インド)

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