9月の消費者物価指数上昇率、前年同月比7.41%、2カ月連続で拡大

(インド)

アジア大洋州課

2022年11月02日

インド統計・計画実行省(MOSPI)が10月12日に発表した9月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは175.3ポイント(速報値)で、前年同月の163.2ポイント(確報値)と比較し、7.41%上昇した(添付資料図参照)。上昇率は、インド準備銀行(RBI、中央銀行)がインフレ目標の上限に定める6%を9カ月連続で上回り、2カ月連続で拡大し、前月の7.00%から大幅な上昇に転じた。同行は、2022年度(2022年4月~2023年3月)第2四半期(7~9月)は7.1%と予測しており、同四半期の実績も7.04%と想定範囲内の上昇率にとどまった。なお、第3四半期(10~12月)のCPI上昇率は6.5%と予測しており、今後の動向が注視される(2022年10月11日記事参照)。

品目別の上昇率では、CPIの比重の約5割を占める食品・飲料は8.41%だった。内訳は、2桁の伸びを示した野菜(18.05%)と香辛料(16.88%)、ウエートが大きい穀物・同製品の11.53%などが中心で、油・油脂は、8月の4.62%から0.37%まで鈍化した。

食品価格の上昇要因としては、ウクライナ危機を受けた輸送コストや、国内の需要増加による値上げ、通貨ルピー安の影響による輸入価格の高騰、生産コスト増などが考えられる。

食品・飲料以外の品目では、履物が前年同月比12.3%で最も高く、燃料・電力(10.39%)、衣服(9.9%)と続いた。その他は、住宅(4.57%)、たばこ・嗜好(しこう)品(1.98%)、家庭用品・サービス(7.68%)、パーソナルケア(6.81%)、娯楽(6.28%)、健康(5.52%)、教育(5.68%)、輸送・通信(5.39%)など雑品目の上昇が顕著だった。

マイナスになった品目は卵(マイナス1.79%)のみで、全体的には上昇傾向を示した。

地域別CPIでも、農村部では7.56%(8月から0.41ポイント上昇)、都市部は7.27%(同0.55ポイント上昇)と、それぞれ上昇した。

(注)全国ベースのCPIは、基準年2012年=100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。

(寺島かほる)

(インド)

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