ASEANサミットでミャンマー対応や東ティモールのASEAN加盟など決議

(ASEAN、ミャンマー、東ティモール、カンボジア)

ジャカルタ発

2022年11月17日

第40回および第41回ASEAN首脳会談(ASEANサミット)が11月11日、カンボジア・プノンペンで行われた。ミャンマーをめぐる対応について重点的に話し合われたほか、東ティモールのASEAN加盟を原則承認した。

会議の冒頭では、ASEAN議長を務めるカンボジアのフン・セン首相が「われわれは今最も不確かな岐路に立っている。この地域の何百万人もの人々の生活は、われわれの知恵と先見の明にかかっている」と述べた。

ミャンマーをめぐっては、ミャンマーがASEANにおける不可欠な一部であることをあらためて確認したほか、暴力行為の即時停止、建設的な対話の開始などを規定した「5項目の合意」(注)にほとんど進展が見られないことを確認した。5項目の合意については、具体的なタイムラインとともに測定可能な指標を示す実施計画が必要だし、ASEAN各国の外相がこの実施計画を策定すると決定した。また、国連およびその外部パートナーに対し、5項目の合意の履行に向けた支援を要請することを決定した(ASEAN首脳によるレビュー文書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。なお、ASEANはミャンマーから非政治代表を招く立場をとっており、今回のASEANサミットにミャンマーは参加していない。

この声明に対し、ミャンマーの外務省は、ミャンマー政府が行ってきた建設的な努力が含まれていないとし、声明の内容が内政への干渉に相当するとして、ミャンマーを含むASEAN加盟国すべての関与なしに議論や決定を行うことに反対すると表明した(「The Global Light of Myanmar」11月13日)。

東ティモールのASEAN加盟を原則承認

東ティモールをめぐっては、ASEAN加盟を原則として承認した。同国は11カ国目のASEAN加盟国となる。正式加盟までは、オブザーバーとしての地位が同国に与えられ、首脳会議を含むすべてのASEAN関連会合への参加が認められる。また、正式加盟に向け、ASEAN調整委員会(ACC)に客観的な基準ベースのロードマップの作成を指示し、2023年に行われる第42回ASEAN首脳会議で採択する予定とした。そのほか、すべてのASEAN加盟国および外部パートナーに対し、東ティモールがロードマップを達成できるよう、キャパシティビルディングなどの支援を行うよう決定した(ASEAN首脳会議ステートメントPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

(注)2021年4月のASEAN首脳級会議で決定した、ASEANとしてのミャンマー情勢への対応方針(2021年4月27日記事参照)。内容は同国へのASEAN特使派遣などで、2022年のASEAN議長国カンボジアは、フン・セン首相らが既に複数回ミャンマーを訪問している(2022年1月12日記事3月30日記事参照)。

(尾崎航)

(ASEAN、ミャンマー、東ティモール、カンボジア)

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