9月の貿易収支、257億1,000万ドルの赤字も、2カ月連続で縮小
(インド)
アジア大洋州課
2022年11月04日
インド商工省(MoCI)が10月14日に発表した「貿易統計」(速報値)によると、9月の貿易収支(速報値、サービスを除く)は257億1,000万ドルの赤字で、27カ月連続の貿易赤字となったものの、赤字幅は2カ月連続で縮小した(2022年9月30日記事参照、添付資料図参照)。9月の輸出額は354億5,000万ドルで前年同月比4.8%増加し、19カ月連続のプラスだった。輸入額は611億6,000万ドルで8.7%増加し、22カ月連続のプラスとなった。
輸出の内訳をみると、全体の21%を占める石油製品の74億2,984万ドル(前年同月比43%増)、宝石・宝飾品類の37億9,385万ドル(17.3%増)、電機製品の20億907万ドル(72%増)などの寄与度が高かった。
一方で、綿糸・生地・手織り製品などは7億9,957万ドル(前年同月比39%減)となり、全体の24%を占めるエンジニアリング製品は83億9,549万ドル(10.9%減)、鉄鋼272万ドル(96.7%減)とマイナスに転じた。
輸入額では、原綿・綿くずが3億1,730万ドル(前年同月比7.2倍)、銀が10億5,409万ドル(88.3%増)、輸送機器が29億2,176万ドル(65.6%増)といずれも大幅に拡大した。他方、全体の4分の1強を占める石油製品・原油・関連製品が158億7,596万ドル(5.38%減)、硫黄関連品が3,838万ドル(30.4%減)、金が38億5,632万ドル(24.6%)と減少した。
同国は世界最大のコメ輸出国であるものの、干ばつの影響によるコメの供給不足を見込み、コメの輸出規制に踏み切っている。ロシアによるウクライナ侵攻を受けた世界的な原油価格の高騰や、高インフレ(2022年11月2日記事参照)、金融引き締め政策(2022年10月11日記事参照)が継続している中、新型コロナ禍からの経済は回復基調にあり、引き続き輸出は拡大傾向を示している。
(寺島かほる)
(インド)
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