ホーチミンで日本産ナシのプロモーション実施、新たなファン獲得目指す

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年11月22日

ジェトロは11月8日、ベトナム・ホーチミン市内のショッピングモールに入居する日系イタリアンレストラン「Pizza 4P’s」(ピザ・フォーピース)で日本産ナシの試食プロモーションを開始した。プロモーション期間は11月21日までの14日間で、レストランの来客を対象に試食を提供し、日本産ナシの新たなファンの獲得を目指す。

試食を提供した場所は、イオンベトナム・タンフーセラドン内とショッピングセンター「サイゴンセンター」内にあるピザ・フォーピースの2店舗。今回レストランで試食を実施することで、消費者と日本産青果物の新たな接点づくりを目的とする。また、これらのショッピングモールには、日本産青果物を扱う小売店やスーパーマーケットも入居しているため、試食で日本産ナシを気に入った場合、同じモール内で購入することができる。

レストランでは、来客グループごとに、福島県産「二十世紀」または「新高」を提供。実際に試食をした人からは「日本のナシは、みずみずしくて、甘みがあっておいしい」と高く評価するコメントが聞かれた。また、各テーブルには日本産ナシの特徴や、販売店舗の情報を記載した卓上POPを配置。POPにはアンケートのQRコードも掲載しており、試食した人からの日本産ナシについての感想を集めた。

試食プロモーションの一環として、11月1~14日には、サイゴンセンター内で果物販売をするスターキッチンで、茨城県産「幸水」「豊水」「あきづき」の食べ比べイベントを開催した。担当者によると、試食したベトナム人からは「甘さやシャリシャリ感の強い『あきづき』が好みだ」との声が聞かれた。

ベトナムでは2011年以降、野菜・果物などについては、指定国からの輸入のみ許可する制度に移行。この点、日本産ナシのベトナムへの輸入は2017年1月16日に解禁となった(2017年2月10日記事参照)。一方、2019~2020年の不作の影響や、日本産よりも安価な韓国産ナシがベトナムで高いシェアを占めていることなどから、日本からベトナムへのナシの輸出量は低迷している(添付資料図参照)。今回の試食プロモーションなどを通じて、ベトナムでの日本産ナシのシェア拡大が期待されている。

なお、ベトナムが輸入を認めている日本の生果実は、ナシ以外ではリンゴ(2015年10月5日記事参照)と、2021年に解禁となった温州ミカン(2021年12月14日記事参照)の2品目。今後、ジェトロでは2022年12月に温州ミカン、2023年1月にはリンゴのプロモーションを実施する予定だ。

写真 Pizza 4Ps店内のスタンディ、卓上POP様子(Pizza 4Ps提供)

Pizza 4Ps店内のスタンディ、卓上POP様子(Pizza 4Ps提供)

写真 Pizza 4Psでの試食提供の様子(Pizza 4Ps提供)

Pizza 4Psでの試食提供の様子(Pizza 4Ps提供)

写真 小売店(スターキッチン)でのナシの食べ比べの様子(スターキッチン提供)

小売店(スターキッチン)でのナシの食べ比べの様子(スターキッチン提供)

写真 日本産青果物を取り扱うスーパーマーケット(イオンベトナム・タンフーセラドン)の売り場(ジェトロ撮影)

日本産青果物を取り扱うスーパーマーケット(イオンベトナム・タンフーセラドン)の売り場(ジェトロ撮影)

(児玉良平)

(ベトナム)

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