米アリゾナ州知事が台湾訪問、半導体分野で連携強化を確認

(米国、台湾、韓国)

ロサンゼルス発

2022年09月02日

米国アリゾナ州ダグ・デューシー知事(共和党)は91日、訪問中の台湾で蔡英文総統と会談を行った。会談後の会見では、ファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が同州で建設中の半導体工場や、台湾に設置予定のアリゾナ州初の貿易事務所について言及したほか、台湾との連携強化に向けて取り組む姿勢を強調した。

TSMC20205月、120億ドルを投資して、アリゾナ州に5ナノメートル(nm)プロセスの半導体ウエハーを毎月2万枚製造する工場を建設し、2024年から操業を開始すると発表している(2022年6月28日付地域・分析レポート参照)。アリゾナ州によると、TSMCの新工場で勤務する750人以上の従業員は、既に台湾で海外研修を始めているほか、TSMC進出に伴い、同州に進出する台湾系サプライヤーの投資も10億ドルを超えている。また、これにより、2,000人以上の雇用を創出するという。

デューシー知事は台湾訪問に先立ち、「アリゾナ州は、テクノロジーや製造業、特に半導体産業などの分野に根ざした強力な経済パートナーシップを享受している」と述べており、半導体分野での連携の強化に期待を示していた。

また、台湾に設置予定の同州貿易事務所について、デューシー知事は「設置法案に署名したことを誇りに思う」、蔡総統は「事務所の設置が台湾とアリゾナ州の経済、貿易協力を加速させる」と、それぞれ述べた。

デューシー知事は、台湾に続いて韓国を訪問する予定。アリゾナ州では、韓国のLGエナジー・ソリューション(LG Energy Solution)が、14億ドルを投資して車載向け電池工場を建設し、2024年の生産開始を計画している(2022年6月28日付地域・分析レポート参照)。

8月のナンシー・ペロシ下院議長の訪台(2022年8月4日記事参)以降、米国の議員や州知事の訪台が相次いでいる。14日には、エドワード・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)ら米国連邦議会超党派の議員団5人が訪台した(2022年8月16日記事参)。また21日には、インディアナ州のエリック・J・ホルコム知事(共和党)が(2022年8月24日記事参)、26日にはマーシャ・ブラックバーン上院議員が(2022年9月2日記事参照)相次いで訪問している。

(永田光)

(米国、台湾、韓国)

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