米国連邦上院議員が蔡英文総統と会談、米国政治家の訪台相次ぐ
(米国、台湾、中国)
米州課
2022年09月02日
米国のマーシャ・ブラックバーン上院議員(共和党、テネシー州)は8月26日、台湾の蔡英文総統と会談した。ブラックバーン議員は自身のウェブサイトにおいて、米国と台湾は強いパートナーシップを築いており蔡総統のリーダーシップに感謝している、と述べた上で、「共産主義の中国に、自由を愛するパートナーである台湾を訪問したり、支援したりする人を決めさせてはならない」と強い言葉で中国を批判した。
加えて同議員は8月26日、米国の保守派メディアであるタウンホールへ寄稿し、「台湾に自衛に必要な物資と訓練を供与し、インド太平洋におけるわれわれの存在を強化」しなければならないと述べるとともに、中国をあらためて強く批判した。ブラックバーン議員は、今回の訪台で、呉釗燮・外交部長、顧立雄・国家安全会議秘書長といった政権の要職者に加え、在台湾の米国商工会議所とも面談している。
8月のナンシー・ペロシ下院議長の訪台(2022年8月4日記事参照)以降、米国の議員や州知事の訪台が相次いでいる。ペロシ議長の訪台後わずか12日後の14日には、エドワード・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)ら米国連邦議会超党派の議員団5人が訪台した(2022年8月16日記事参照)。21日には、インディアナ州のエリック・J・ホルコム知事(共和党)が(2022年8月24日記事参照)、30日にはアリゾナ州のダグ・デューシー知事(共和党)(2022年9月2日記事参照)が相次いで訪問している。いずれも経済面では、バイデン政権が経済安全保障の面から重視している半導体産業での連携強化をうたっている。
バイデン政権も台湾との関係強化に向けて動いており、米国通商代表部(USTR)は8月17日、「21世紀の貿易に関する米国・台湾イニシアチブ」の貿易交渉分野を発表した(2022年8月19日記事参照)。第1回交渉が2022年の秋口に実施される予定となっており、台湾との関係強化に資する動きが目立っている。
(赤平大寿)
(米国、台湾、中国)
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