ペロシ米下院議長が台湾訪問を総括、半導体協力に期待

(米国、中国、台湾)

ニューヨーク発

2022年08月04日

米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)は83日、台湾訪問を総括する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。ペロシ議長率いる米議員団は現地時間の83日午前に蔡其昌・立法院副院長と会談し、午後には蔡英文総統、呉釗燮外交部長と会談を行った(2022年8月3日記事参照)。

ペロシ議長は声明の冒頭で「台湾は平和と安全における重要な同志であり、経済のダイナミズムの世界的なリーダー、そして、民主的統治の模範」と評価した上で、今回の訪問のハイライトとして次の3点を強調した。(1)安全保障に関して、脅威に直面する台湾が自由を守るのを支援するという米国議会の継続的なコミットメントを再確認、(2)経済に関して、米国議会が7月末に可決した「CHIPSおよび科学法案」(2022年7月28日記事参照、注)がいかに両国・地域の経済強化に大きな役割を果たすかを伝えるとともに、6月に立ち上がった新たな通商枠組み「21世紀の貿易に関する米国・台湾イニシアチブ」(2022年6月2日記事参照)への支持を表明、(3)ガバナンスに関して、台湾の新型コロナウイルス対策を称賛するとともに、気候危機を含む優先課題における協力の継続を確認した。

ペロシ議長の訪台に強く反発した中国は、早くも軍事演習や台湾からの食品輸入規制など報復措置を導入している。蔡総統との会談後の記者会見でこの点について問われたペロシ議長は、ボブ・メネンデス上院外交委員長(民主党、ニュージャージー州)ら上院議員6人が4月に訪台した際に中国が特段の措置を取らなかったことに触れ、「私が下院議長だから中国はこれほど大騒ぎしているのだろう」との見方を示した。また、中国の報復措置で台湾が被るコストをどう相殺できるかとの問いには、「CHIPSおよび科学法案」が両国・地域の経済関係を強化すると応答した。同法案には、米国内で半導体製造に関する施設を新設・拡張した企業に資金援助を行う予算や投資税額控除などが含まれている。台湾の半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)はアリゾナ州で工場の建設を進めており(2022年6月28日付地域・分析レポート参照)、同法案による資金援助に期待しているとされる(「ワシントン・ポスト」紙電子版82日)。「台北時報」(84日)によると、ペロシ議長は訪台中にTSMCの劉德音会長と面会し、同法案について議論したもよう。

(注)上院に続き、下院も同法案を728日に可決し、近くジョー・バイデン大統領の署名を経て成立することが確実となっている。

(磯部真一)

(米国、中国、台湾)

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