米インディアナ州知事が訪台、経済協力関係強化へ

(米国、台湾、韓国)

シカゴ発

2022年08月24日

米国インディアナ州のエリック・J・ホルコム知事(共和党)が821日に台湾に到着し、翌22日には台湾の蔡英文総統と会談した。米国のナンシー・ペロシ下院議長、米国超党派の議員代表団による相次ぐ訪台で(2022年8月3日記事2022年8月15日記事参照)、中国との緊張が高まる中の訪問となった。

総統府によると、蔡総統はホルコム知事一行との会談の冒頭で、「台湾と米国はともに民主主義と自由を愛するパートナーで、インド太平洋地域における安全保障と経済の重要な同盟だ」と述べた。さらに、ジョー・バイデン大統領が89日に署名して成立した、中国との競争力を高めるために半導体製造と研究を支援するための「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法」(2022年8月10日記事参照)に触れ、「台湾は、持続可能な半導体サプライチェーンの構築において、民主的なパートナーとの協力を強化する意思と能力を有している」と発言した。

ホルコム知事は「私たちは非常に多くの共通の価値観、利益、目標を共有しており、私たちの経済がともに成長していく中で,この関係を強化し,戦略的なパートナーシップを築くことを求め続けていく」と述べた。ホルコム知事は、インディアナ州と台湾は覚書を締結し、半導体、農業・生物学、先端製造業などの分野での台湾との結びつきを強化するとした。

今回、ホルコム知事は台湾と韓国を訪れ、州商務長官、経済開発公社、パデュー大学工学部の学部長らを中心とする代表団が、政府関係者、ビジネスリーダー、学術機関を訪問するとのことだ。パデュー大学は、628日に世界4位の規模である台湾の半導体メーカーのメディア・テックと共同で、同大学キャンパスでの新しい半導体設計センターの設立と共同研究を発表した。

ホルコム知事を筆頭とする代表団は、今回の訪台を「インディアナ州の経済と学術の連携を強化し、国際的な規模での経済協力体制の構築を約束するもの」と位置付けている。また、CHIPSプラス法にも触れ、今回の訪台でさらに多くの台湾の半導体メーカーの代表者と会談し、提携についての協議を予定していることからも、同州での半導体産業の強化に積極的な姿勢がうかがえる。

インディアナ州には、2022年現在、台湾10社、韓国12社を含む40以上の国と地域からなる1,050社以上の外資系企業が存在する。同州は、外資による投資を積極的に誘致しており、5月にも「インディアナ・グローバル経済サミット」を開催した(2022年6月8日記事参照)。

(星野香織、中溝丘)

(米国、台湾、韓国)

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