国務院、雇用支援策を強化、未就職の大卒者を補助対象に

(中国)

北京発

2022年09月16日

中国の国務院常務会議は97日、未就職の大卒者向けの補助金支給や技能訓練の強化などの新たな雇用支援策を発表した。若年層(1624歳)の失業率が高止まりしている状況(2022年8月16日記事参照)を受け、大卒者などへの雇用支援を強化する。具体的な措置は以下のとおり。

1.雇用を維持した企業に対して補助金を支給する支援策を実施している地域で、失業保険基金としての積み立て分を24カ月分から18カ月分に緩和する(注1)。過去2年以内に未就職の大卒者、また失業者として登録された若者を雇用拡大補助金の対象(注2)に追加する。失業者に対して迅速に失業保険を給付する。農民工に対する技能訓練を強化して雇用を安定させる。

2.就職が困難なフレキシブルワーカーや過去2年以内に未就職の大卒者に対して、社会保険料基金から補助金を支給する。特別融資によりプラットフォーム企業を支援する。

3.   起業のために保証付き融資で資金を借り入れた者が新型コロナウイルスの影響で経済的に困難に直面した場合、1年間の返済猶予を申請できる。中小・零細企業向けの初回の貸付、信用貸付、再貸付、中長期貸付を増やすよう銀行に対して指導する。

4.保険資金のベンチャーキャピタルへの投資を奨励する。

5.政府が投資するインキューベーション施設などのスペースをスタートアップ企業に可能な限り無料で利用できるようにする。

また、民政部が95日に公表した「最低生活保障等の社会救助のより一層の保障徹底に関する通知(意見募集稿)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、未就職の大卒者を含む、新型コロナウイルスの影響を受けた生活困窮者・家庭を臨時の生活補助対象に加えることを盛り込んだ。

中国では新型コロナウイルス感染拡大の影響によって就職難が深刻化する中で、大卒者を中心とする若者の就職対策の強化を盛り込んだ、雇用の安定化に向けた方針や取り組みが相次いで発表されており(2022年5月18日記事2022年5月19記事参照)、こうした取り組みの効果が表れるかが今後注目される。

(注1)積み立て上限を引き下げることにより、浮いた分の金額を雇用対策に拠出することができる。

(注2)大卒者の雇用を支援するため、人力資源・社会保障部などが725日に「雇用拡大に向けた単発の補助金政策の実施を早めることに関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、202212月末までに大卒者を採用した企業に対して、1人当たり最大1,500(31,500円、1元=約21)を支給するとした。同補助金の支給対象は20221月から202212月までに大学を卒業した新卒者としていたが、今回の措置により、対象が過去2年以内に未就職の大卒者、また失業者として登録された若者にも拡大された。

(張敏)

(中国)

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