第2四半期の実質GDP成長率は前期比マイナス2.1%

(ポーランド)

ワルシャワ発

2022年09月09日

ポーランド中央統計局(GUS)は8月31日、2022年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(季節調整済み)が前期比マイナス2.1%だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。第1四半期(1~3月)の2.5%からマイナスに転じた。2020年第2四半期に最初に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてマイナス9.1%の成長率となった以降は、プラス成長が続いていたが、ここへ来て久しぶりのマイナス成長となった。なお、前年同期比の成長率でも、第1四半期の9.2%から4.7%に減速した。

需要項目別にみると、総資本形成と総固定資本形成は大きく減少し、それぞれ前期比27.7%減(第1四半期:44.1%増)と6.8%減(11.1%増)となった。国内需要は第1四半期の5.7%増から3.8%減に転じたものの、うち個人消費はウクライナ避難民の流入(2022年3月22日2022年7月21日記事参照)や好調な労働市場を背景に2.1%増と伸びた。なお、輸出は第1四半期の2.1%減から3.0%増に回復したものの、輸入も伸びたため、外需(純輸出)は実質GDPの押し下げ要因となった。

産業別にみると、建設業(前期比1.3%減)、流通・自動車修理業(5.2%減)はマイナス成長だった。工業と運輸倉庫業はプラス成長を維持したが、それぞれの伸び率は0.6%増(第1四半期:2.1%増)、0.5%増(4.3%)と振るわなかった。他方、宿泊・飲食業は、2021年第4四半期が57.6%減、2022年第1四半期が24.8%減と2期連続で大きく低下していたが、新型コロナ対策の行動規制が解除された当期(2022年3月30日記事参照)は4.4%増と、プラスに転じた。

今回の発表について、ポーランドのメディアは「第1四半期までのプラス成長の傾向は、サプライチェーンの混乱や原材料の価格高騰により、企業の在庫が過剰に積み上がったためだった」とした上で、第2四半期の減速は、企業がその在庫を減らし始めたことが要因との見方を示している(「ジェチポスポリタ」紙2022年8月31日)。

また、PKO銀行は、第3四半期以降、GDPはさらに落ち込み、「個人消費の減少が物価の一層の上昇を抑えることになるだろう」と予測している。GUSによれば、ポーランドの消費者物価上昇率は、第2四半期には前年同期比で13.9%と高い水準で推移している。

(ニーナ・ルッベ)

(ポーランド)

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