ホンダ、LGエナジーソリューションと米国にEVバッテリー合弁会社設立に合意

(米国、日本、韓国)

シカゴ発

2022年08月31日

ホンダは829日、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)と、北米市場向けのホンダとアキュラの電気自動車(EV)モデルに搭載するバッテリーを生産する合弁会社を設立することで合意したと発表した。

今回の合意で、ホンダとLGESは総額44億ドルを投資して米国に合弁工場を新設し、年間約40ギガワット時(GWh)の生産能力を目指す。この合弁工場で生産する電池は北米のホンダ拠点に独占的に供給する予定だ。また、ホンダの北米でのEV生産計画に基づいて、2025年末までに先進的なリチウムイオン電池セルの量産を開始できるように、2023年初頭の着工を目指すという。今回のプレスリリースでは発表されてはいないが、報道によると、バッテリー工場の建設はホンダの工場のあるオハイオ州が有力とみられている。ホンダは同州に3つの工場を持っており、うち1つは同社の組み立て工場の中では全米最大規模だ。

ホンダは2030年までに北米で約80万台のEV販売を計画しており、今回の合弁会社設立はEVの重要部品であるバッテリーの現地調達の取り組みの一環だ。

また、816日に米国で成立したインフレ削減法で定められたEV優遇措置の要件を満たすには、北米での電池生産が不可欠となる。今後、EV購入で最大7,500ドルの税額控除を消費者が受けるには、バッテリー材料に含まれる重要鉱物やバッテリー部品の生産・組み立てに関する調達先の価格割合などの要件を満たす必要があるため(2022年8月5日2022年8月9日8月18日記事参照)、北米での調達が重要課題となる。LGESはホンダ以外にもゼネラルモーターズ(GM)やステランティス、韓国の現代自動車など複数の自動車メーカーとEVバッテリー製造で提携をしている(2021年4月19日記事参照)。

(星野香織)

(米国、日本、韓国)

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