UAEとインドネシア、包括的経済連携協定に署名

(アラブ首長国連邦、インドネシア)

ドバイ発

2022年07月07日

アラブ首長国連邦(UAE)とインドネシアは71日、2国間の包括的連携経済協定(CEPA)に署名した。インドネシアのズルキフリ・ハサン商業相とUAEのアブダッラー・ビン・トゥーク・アル・マッリー経済相が署名を行い、UAE国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますインドネシア国営アンタラ通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどの両国主要メディアが報じた。両国の批准を経て発効する。

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、G7サミット出席のため訪問したドイツを皮切りに、ウクライナ、ロシアを歴訪している(2022年7月4日記事参照)。最後にUAEの首都アブダビを訪問し、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と会談するとともに、CEPAの署名式に立ち会った。UAE政府は、20219月に発表した今後50年の成長に向けた国家施策「プロジェクト50」で、インドネシアを含む8カ国(注)とCEPA締結に向けた交渉を行うことを明らかにし(2021年9月13日記事参照)、交渉を進めていた。UAEにとっては2月のインド(2022年2月24日記事参照)、5月のイスラエル(2022年6月2日記事参照)に続く3件目のCEPA締結となった。

「イスラム経済」としての両国の協力に言及

インドネシアにとっては、今回が中東湾岸地域の国と結ぶ初の貿易協定となる。報道によると、CEPAの発効により、UAEへの輸入関税が約99%、インドネシアへの輸入関税が約94%の品目で撤廃されるという。推計によると、インドネシアからUAEへの輸出額は向こう10年間で2021年の19億ドルから53.9%増、UAEからインドネシアへの輸出額は同21億ドルから18.26%増を見込むとしている。

また、今回のCEPAで特徴的な点は、サービス貿易、投資、知的財産権などの協力を盛り込んだのに加えて、「イスラム経済」としての両国の協力に触れていることだ。UAEのサーニー・ビン・アフマド・アール・ゼイユーディ貿易担当国務相は「同じシャリーア法に基づく国家として、ハラール食品、イスラムファッション、医薬品など、多くの協力分野が盛り込まれている」と述べた。ハラール証明書の両国間での相互認証や、イスラム金融の相互ルールの整備などが進むとみられる。

(注)インド、インドネシア、トルコ、英国、イスラエル、ケニア、韓国、エチオピア。事後の報道では、コロンビアとも交渉中とされている。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、インドネシア)

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