UAEとインド、包括的経済連携協定を締結

(アラブ首長国連邦、インド)

ドバイ発

2022年02月24日

アラブ首長国連邦(UAE)とインドは2月18日、2国間の包括的経済連携協定(CEPA)を締結した〔2月18日付UAE国営エミレーツ通信社(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子と、インドのナレンドラ・モディ首相の両首脳が参加して開催したバーチャルサミットで、署名を発表した。両国が同日発表した共同声明では、CEPA締結に加えて、文化やエネルギー、食糧安全保障など11分野の協力覚書(MoU)も締結した(2月18日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

CEPAの全文は現時点で公開されていないが、インド商工省のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますやUAEの各紙の報道によると、両国間で取引される品目の80%近くについて関税を撤廃する。関税以外の連携についても、知的財産権の保護をはじめ、米国、EU、英国、日本など先進国で承認済みのインド製医薬品がUAEでも自動的に承認、登録されるスキームの導入なども含むとしている。

UAEのサーニー・ビン・アフマド・アール・ゼイユーディ貿易担当国務相はWAMへの取材外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに対して、CEPA締結により「UAE・インド間の非石油貿易は5年間で2.12倍になり、1,000億ドルに到達するだろう」と述べた。

インドとのCEPAは、UAEが結ぶ初のCEPAとなる。UAEの現在の人口約1,000万人のうち約350万人をインド人が占めると言われ、経済的結びつきや人的交流は歴史的にも非常に強い。投資や人的交流など他分野でもCEPAの効果が期待される。

また、UAEは各国とのCEPA締結に意欲的だ。2021年9月にUAE政府が発表した今後50年の成長に向けた戦略「プロジェクト50」の中でも、輸出拡大のため、インドを含む8カ国(注)との包括的経済協定の締結を目標に掲げている(2021年9月13日記事参照)。インドとは同年9月22日に交渉開始を発表し、そこからわずか半年足らずで締結に至った。韓国、インドネシアとも交渉を開始しており(2021年10月20日記事参照)、トルコとも2月14日にエルドアン大統領がUAEを訪問した際に、CEPAの締結に向けた交渉の開始を発表した(2022年2月17日記事参照)。

(注)インド、インドネシア、トルコ、英国、イスラエル、ケニア、韓国、エチオピア

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、インド)

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