今後50年の成長に向けた「プロジェクト50」実施を発表

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2021年09月13日

アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・アブダビ皇太子とムハンマド・ドバイ首長(UAE副大統領兼首相)は9月5日、今後50年の成長に向けた国家指針となる「次の50年に向けた原則」(Principles of the 50)と、その施策となる「プロジェクト50」の実施を発表した。

UAE建国50周年となる2021年を契機に、これに続く50年を国家の経済や政治のさらなる発展を目指す「新たな成長段階」と位置づけ、50のプロジェクト(個別の「イニシアチブ」と呼称)を実施するとした。

5日の記者発表では、同構想を実現するに当たって、合計10の「次の50年に向けた原則」〔5日付国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕と、13のイニシアチブ(プロジェクト)(5日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を紹介した。残り37のイニシアチブは9月中に順次発表する予定となっている。

10の「原則」では、「経済成長が国家の最大関心事項」と言及するなど、経済発展を特に重視している。外交面では近隣国との友好関係構築や国外での人道支援、内政面では人的資本や開放性と寛容性の理念の重視などを打ち出している。

同じく発表した13のイニシアチブは、いずれも経済発展に寄与することを意図した取り組みとなっている。居住ビザ要件の緩和により、各分野の専門家や投資家、起業家など高度スキルを持った人材の誘致を図る施策、輸出拡大のため8カ国(注)との包括的経済協定の締結、今後9年間で5,500億ディルハム(約1,498億ドル、1ドル=3.6725ディルハムで概算)の対内直接投資を目指す方針など、あらゆる側面からUAEの経済を成長させるべく取り組む。今後も引き続き多岐にわたるイニシアチブの発表が見込まれる。

(注)インド、インドネシア、トルコ、英国、イスラエル、ケニア、韓国、エチオピア

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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