UAEとイスラエルが包括的経済連携協定に署名

(アラブ首長国連邦、イスラエル)

ドバイ発

2022年06月02日

アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルは5月31日、2国間の包括的連携経済協定(CEPA)(注)に署名した。UAE国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどの両国主要紙が、イスラエルのオルナ・バルビバイ経済産業相とUAEのアブダッラー・ビン・トゥーク・アール・マッリー経済相が、ドバイで署名を行ったと報じている。

2021年12月13日に、イスラエルのナフタリ・ベネット首相がUAEを初めて公式訪問し、ムハンマド・ビン・ザーイド・アブダビ首長国皇太子(当時、現UAE大統領)と会談した際に、CEPAを締結することで合意していた(2021年12月15日記事参照)。2022年に入って、4月1日には内容の交渉が妥結(2022年4月1日記事参照)、合意からわずか半年足らずで署名に至った。2020年9月のアブラハム合意による国交樹立以降、両国間ではさまざまな連携事例を創出してきたが、今回の署名は関係の深化を象徴する成果と言える。

WAMの報道外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、今回のCEPAにより、両国間の財の貿易に関する96%以上の関税が撤廃または削減される予定だ。現時点では正式な運用開始時期は不明だが、UAEのサーニー・ビン・アフマド・アール・ゼイユーディ貿易担当国務相は、自身のツイッターでCEPAの締結に触れ、「両国間の非石油貿易額を、5年以内に100億ドルまで押し上げる」と貿易拡大への期待をあらわにしている。

イスラエル中央統計局が発表した貿易統計によると、2022年1~4月期のイスラエルからUAEへの財の輸出は1億8,680万ドルとなり、前年同期比で2.4倍になった。輸入も4億8,560万ドルで、同3.7倍と大きく増えている。CEPAの発効により、さらなる貿易の加速が見込まれる。

(注)名称については、アラブ首長国連邦は「包括的経済連携協定(CEPA)」と呼称し、イスラエルは「自由貿易協定(FTA)」と呼称している(2022年4月5日記事参照)。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、イスラエル)

ビジネス短信 27a97102f8c4a8c6