外国企業に配慮し義務的医療検査の受診頻度を緩和

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年07月27日

ロシアで、高度熟練専門家(HQS)に対する義務的医療検査の受診頻度がこれまでの年1回から原則3年に一度に変更になった。労働許可の更新時期に合わせたものだ。連邦法第357-FZ号「連邦法『ロシア連邦における外国人の法的地位について』と特定の法令の改正について」(2022714日付)が発効したことによる。

同検査は20211229日以降、指紋登録とともに、HQSを含む外国人労働者とその家族(注)のロシア滞在に当たって義務化されていた(2021年12月222022年1月28記事参照)。HQSを含む外国人労働者とその家族は、同制度の導入当初は3カ月に一度、20222月以降は1年に一度、検査を受診する必要があった。今回の改正はこれを緩和するものだ。

緩和の背景に、ロシア政府内では経済発展省の調整努力、外部からは在ロシア外国企業団体の働きかけがあった。経済発展省のドミトリー・ボリワチ次官は719日、「国内のHQS需要を考慮し、HQSに対する優遇措置を維持・拡大することが必要だ」と述べ、同措置は引き続きロシアで活動する欧米企業などに対する配慮であることを示唆した。在ロシア米国商工会議所(アムチャム)はこの改正に関し、「これまでの働きかけの成果」として歓迎する姿勢を示している。

(注)日本企業を含めて多くの外国企業の駐在員はHQSとして、ビザと労働許可を取得して就労している。同制度を含む外国人就業規制については、ジェトロのウェブサイト参照。

(欧州ロシアCIS課)

(ロシア)

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