1~5月の酒類輸入状況、前年同期比63%減
(中国)
北京発
2022年07月13日
中国食品土畜輸出入商会酒類輸出入商分会(CAWS)は、2022年1~5月の中国の酒類輸入量が前年同期比63.1%減の3億9,238万リットルだったと6月30日に発表した。輸入額は15億7,614万ドルで24.8%減だった。品目別の輸入量では、ビールが1億8,878万リットルで最も多く、次いでワイン、スピリッツ(注)と続いた。品目別の輸入額では、スピリッツが6億6,117万ドルで最も多く、ワイン、ビールが続いた(添付資料表1参照)。
ワインの輸入量を国・地域別でみると、チリが16.1%増の6,433万リットルと最も多く、輸入額でも2位(12.0%増の1億5,502万ドル、添付資料表2参照)で、各国・地域からの輸入量が減少傾向の中、量、金額とも増加した。金額ベースではフランス(2億5,427万ドル)が全体の4割以上を占めた。同国からの輸入は量、金額ともに減少したものの、平均単価は15.9%上昇しており、高価格帯の商品へとシフトしていることがうかがえる。
オーストラリアからの輸入は、量、金額それぞれ85.6%減(98万リットル)、93.2%減(330万ドル)となっており、中国政府によるオーストラリア産ワインへの追加関税措置の影響が要因として考えられる(2021年6月22日記事参照)。
日本からのスピリッツの輸入量は290万リットル、輸入額は2,199万ドルに達し、国・地域別輸入量では4位に位置している(添付資料表3-1参照)。スピリッツのうち、日本からのウイスキーの輸入量は75万リットルで3位、輸入額は1,783万ドルで英国に次ぐ2位となった(添付資料表3-2参照)。日本からのスパークリングワインの輸入量は99.6%増の6,150リットルで、国・地域別輸入量で8位となった(添付資料表4参照)。
2021年の金額ベースで、中国は日本からの日本酒の最大の輸出相手先となった(2022年4月13日付地域・分析レポート参照)。前述の日本産ウイスキーに加えて、梅酒をはじめとしたリキュール類に注目する動きもある中(2022年1月21日記事参照)、日本酒類の輸出がさらに拡大していくか注目される。
(注)ここでは、ウイスキーなどを含めた広義の蒸留酒を指す。
(唐澤和之)
(中国)
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