中銀が政策金利を0.75ポイント引き上げ9.00%に

(チリ)

サンティアゴ発

2022年06月13日

チリ中央銀行は6月7日に行われた金融政策決定会合で、政策金利を9.00%に引き上げることを決定した。上げ幅は前回会合から0.50ポイント少ない0.75ポイントで、8会合連続の利上げとなった(添付資料図1参照)。

中銀によると、長引くインフレは2021年の過度な内需増加の影響を受け続けており、加えて、世界的な金融経済情勢の悪化や、長引くロシアのウクライナ侵攻による原材料価格の高騰、中国経済の弱体化などの外部要因も影響を及ぼしていると指摘している。

チリ統計局(INE)の6月8日の発表によると、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比1.2%、前年同月比では11.5%となった(添付資料図2参照)。CPI上昇の要因としてINEは、主に食品・飲料(酒類を除く)と交通の価格上昇を挙げている。食品・飲料では、主食のパンやシリアルに加えて、野菜、豆類、イモ類の価格が上昇した。交通では、燃料価格の上昇と航空輸送サービスの価格が上昇した。

政府は、チリ全土における公共交通機関の利用料金の凍結(2022年4月8日記事参照)や、最低賃金の大幅な引き上げ(2022年5月30日記事参照)などにより、長期化するインフレの影響を受ける国民の救済策を実施している。

中銀は、国内のインフレ収束を確実なものとするため、今後も金利の微調整を行う必要があるとしており、次回の7月中旬に行われる金融政策決定会合でも、追加の利上げが見込まれている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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