日米首脳会談、日本人宇宙飛行士の月面到達やエネルギー安全保障の協力拡大で合意

(米国、日本)

米州課

2022年05月24日

岸田文雄首相とジョー・バイデン米国大統領は、5月23日に2国間の首脳会談を行った(2022年5月23日記事参照)。首脳会談後に発表された日米首脳共同声明(2022年5月24日記事参照)では、2021年4月に立ち上げが発表された「日米競争力・強靭(きょうじん)性(CoRe)パートナーシップ」(2021年4月19日記事参照)の下でこれまでに協力して実施された取り組みを評価した上で、経済分野での日米協力を拡大・深化するために、閣僚級の日米経済政策協議委員会(経済版2プラス2)を 2022 年7月に開催すると表明した(2022年5月23日記事参照)。

ホワイトハウスが発表したファクトシート〔外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日(仮訳)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕では、(1)競争力およびイノベーション、(2)新型コロナウイルス対策、(3)気候変動やクリーンエネルギーの各分野について、具体的な取り組み事例が示された。(1)競争力およびイノベーション分野では、半導体や先進蓄電池、重要鉱物のサプライチェーン強靭化に向けて日米が志を同じくするパートナーとして協力することや、宇宙探査や科学領域での研究活動の2国間協力拡大に向けて、米国航空宇宙局(NASA)の有人月着陸プロジェクト「アルテミス計画」において、将来の日本人宇宙飛行士の月面到達を目指し協力を継続することなどが示された。また、(2)新型コロナウイルス対策では、日本が新型コロナの発生以降、世界で約50億ドルの包括的な支援を行ってきていることや、米国が新型コロナワクチン5億4,000万回分以上を115以上の国・地域に提供したことなどが実績として例示された。

また、日米首脳共同声明では、併せて、両国が掲げる2050年ネット・ゼロ目標やパリ協定の実施によって長期的なエネルギー安全保障に協調して取り組むことについて合意したと発表した。

ホワイトハウスが発表したファクトシート〔外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日(仮訳)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕では、具体的に、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援がないように取り組むことや、2030年までの小型車部門のゼロエミッション乗用車の相当の市場割合の達成への取り組みなどが示された。

(葛西泰介)

(米国、日本)

ビジネス短信 618d87844fc2810b