3月の消費者物価は前年同月比12.1%上昇、食料・飲料は23.2%上昇

(エジプト)

カイロ発

2022年04月19日

エジプトの中央動員統計局(CAPMAS)は4月10日、2022年3月の消費者物価上昇率が前年同月比12.1%だったと発表した。都市部では10.5%、農村部では13.7%の上昇となり、農村部で物価上昇が顕著になっている。分野別に上昇率をみると、文化・娯楽(前年同月比28.6%)、食料・飲料(23.2%)、教育(13.9%)、ホテル・外食(11.2%)などの分野で大きな上昇になった。食料・飲料の内訳では、野菜が38.3%、油・油脂などが36.2%、パン・小麦が24.5%だった。

近年の消費者物価の上昇については、2016年の変動相場制への移行に伴う通貨切り下げと輸入品価格の高騰によって、2017年に前年比29.5%を記録したが、2018年からは上昇率が低下傾向にあった。直近では、燃料や物流の価格高騰に伴い、2022年1月に前年同月比8.0%上昇した。2月にはウクライナ情勢の緊迫化の影響で、10.0%の上昇となり、3月は前述のとおり12.1%と上昇傾向で2019年5月以降の高水準になっている。

【近年のエジプトの消費者物価上昇率推移(都市部、年平均、前年比)、CAPMAS参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  • 2016年:13.8%
  • 2017年:29.5%
  • 2018年:14.5%
  • 2019年:9.2%
  • 2020年:5.0%
  • 2021年:5.2%

【直近の半年のエジプトの消費者物価上昇率推移(月ごと、前年同月比)、CAPMAS参照】

  • 2021年10月:7.3%
  • 2021年11月:6.2%
  • 2021年12月:6.5%
  • 2022年1月:8.0%
  • 2022年2月:10.0%
  • 2022年3月:12.1%

エジプトは世界で最大の小麦輸入国で、特にウクライナとロシアからの小麦輸入が約85%を占めている。さらに、トウモロコシ、ヒマワリ油、鉄鋼などもウクライナから輸入していたため、ウクライナ情勢による影響は深刻だ(2022年3月3日記事2022年3月18日記事参照)。

エジプト中央銀行は、物価上昇を抑制するため、2022年3月21日に政策金利を1ポイント引き上げた。また、同日には、外貨流出防止とIMFへの支援要請のため、通貨切り下げを誘導した(2022年3月25日記事参照)。ただし、通貨切り下げについては、輸入が現地通貨建てで割高になるため、原油や食料を輸入に依存するエジプトにとってはさらなる物価上昇も懸念される。

(井澤壌士)

(エジプト)

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