中銀が利上げ、エジプト・ポンドは大幅な切り下げ

(エジプト)

カイロ発

2022年03月25日

エジプト中央銀行(CBE)は3月21日、緊急の金融政策委員会を開催し、政策金利を8.75%から1ポイント利上げし、9.75%とすることを決定した。エジプトでは、世界的な物価上昇やウクライナ情勢の悪化を受け、食料や燃料などが上昇していた(2022年3月18日記事参照)。今回の利上げは、こうした状況を抑制する措置だという。CBEは物価上昇率の目標を7%(±2%)と定めていたが、2月時点の消費者物価上昇率は8.8%となっており、上限の9%に近付いていた。

今回は2017年5月22日以来の利上げとなる。同国では2017年7月9日に政策金利を19.25%に設定した以降、徐々に利下げしていた。直近では2020年11月に9.25%から8.75%への1ポイントの利下げを行った。

なお、通貨エジプト・ポンド(EGP)は2020年以降、1ドル15.7EGP程度で安定していたが、CBEが為替レートの柔軟化を容認する姿勢を示したことから、現地では3月21日午後5時時点で18.2EGPと約16%の大幅な切り下げとなった。これについては、IMFの支援を取り付けることが狙いとの見方があったが、23日付の声明で、IMFはエジプト政府と支援について協議中と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「為替レートの柔軟化は外的なショックを和らげるために必要な措置」としている。

(井澤壌士)

(エジプト)

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