4月18日以降の新型コロナ警戒信号の色発表、3期連続で全州が緑を維持

(メキシコ)

メキシコ発

2022年04月18日

メキシコ連邦保健省は4月16日、国内各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)の18日以降に適用する色を発表した。3期連続で全国32州全てが緑となった(添付資料表参照)。

発症日別の新規発症者数を週単位でまとめたデータをみると、全国の新規発症者数は2021年第51週(12/19~25)からオミクロン株の影響を受け、第51週が前週比79.2%増、第52週(12/26~1/1)が3.2倍、2022年第1週(1/2~8)が2.9倍と急増した。第2週(1/9~15)は49.0%増と減速、第3週(1/16~22)に前週比15.0%の減少に転じ、以降は第14週まで12週連続で減少している。第14週(4/3~9)は現時点で36.3%の大幅減となっているが、聖週間(セマナサンタ)の休暇の影響で発症の確認と報告が遅れていることが考えられる。第14週の1日当たり発症者数は現時点で473人(注1)と、新型コロナウイルス感染拡大初期の3月29日~4月4日の週以来の低水準となっている。病床利用率は4月15日時点で一般病床が4%、人工呼吸器付き病床が3%まで下がっている。

メキシコでは原則として14歳以上がワクチン接種の対象で(注2)、合計で8,570万7,634人に少なくとも1回の接種が完了している(人口比66.5%、14歳以上人口比89.1%)。このうち、7,994万3,466人(同62.0%、83.1%)が所定回数を接種済み。ブースター接種の接種率については、4月15日時点で医療・教育関係者が100%、60歳以上の高齢者が76%、40~59歳が52%、18~39歳が51%。ブースター接種に用いられているワクチンは、英国アストラゼネカ製とロシア国立ガマレヤ研究所製(スプートニクV)のため、日本の水際措置の緩和対象にはならない。

大統領、ブースター接種も含め、ワクチン未接種者への大規模接種を指示

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は4月13日の記者会見で、ワクチン接種を完了していない成人やブースター接種が終わっていない成人に対する大規模接種について、連邦政府や州政府、市町村政府が協力して4月中に行う考えを示した。そのためのワクチンは十分に確保していることを強調した。成人に対する大規模ワクチン接種を完了した後、世界保健機関(WHO)の指針に従い、14歳未満も含めた未成年者に対するワクチン接種も進めるとした(4月13日付大統領府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注1)発症日ベースの統計は後から感染が確定して追加されることが多いため、最終的には1日当たり600人前後になると推定される。

(注2)感染症に弱い病気を患っている場合、例外的に12歳以上でも接種対象となる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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