3月7日以降の新型コロナ警戒信号の色発表、1州を除き全州が緑に

(メキシコ)

メキシコ発

2022年03月07日

メキシコ連邦保健省は3月4日、国内各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)の3月7日以降に適用する色を発表した。全国32州のうち、1州が黄、31州が緑となった。前回の信号が黄だった15州が緑に好転し、ケレタロ州のみが黄のままだった。信号の色が後退した州はない。進出日系企業の多い州では、ケレタロ州が黄、アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、チワワ州、コアウイラ州、メキシコ市、グアナファト州、ハリスコ州、メキシコ州、ヌエボレオン州、サンルイスポトシ州、タマウリパス州、サカテカス州が緑。

発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、全国の新規発症者数は2021年第51週(12/19~25)からオミクロン株の影響を受け、第51週が前週比83.0%増、第52週(12/26~1/1)が221.8%増、2022年第1週(1/2~1/8)が2.9倍と急増した。第2週(1/9~15)は45.0%増と減速、第3週(1/16~22)に前週比15.6%の減少に転じ、第4週(1/23~29)39.5%減、第5週(1/30~2/5)45.3%、第6週(2/6~12が41.4%減、第7週(2/13~19)35.6%減と減少傾向が続いている。第7週の1日当たり発症者数は現時点で5,953人(注1)で、第3波ピーク時(2021年第31週)の31.4%の水準まで低下している。病床利用率は3月3日時点で一般病床が14%、人工呼吸器付き病床が11%となっており、2月1日時点のそれぞれ45%、30%と比較すると大きく低下している。

日系企業の約半数が「新型コロナ禍」以前の操業状況に

メキシコ日本商工会議所とジェトロが2月25日~3月1日に共同実施した進出日系企業向けアンケートによると、回答社数120社のうち47.5%が既に新型コロナ禍以前の操業状況(原則全員が出勤)に戻している。この比率は製造業で71%と高いが、非製造業でも22.4%に及ぶ。製造部門とオフィス部門(製造業のオフィス部門も含む)で出勤率を分けて聞いたところ、製造部門は100%との回答が76.3%に及んだが、オフィス部門でも51.9%が100%と回答している。第4波の感染拡大も収束に向かっており、進出日系企業の操業は正常化に向かっている。

メキシコでは原則として(注2)14歳以上がワクチン接種の対象となっており、3月4日時点で全人口の66.2%、14歳以上の人口の86.7%に相当する8,531万5,634人が少なくとも1回の接種を受けている。そのうち、7,905万604人(全人口の61.3%、14歳以上80.4%)が所定の回数の接種を完了している。ブースター接種の接種率については、3月4日時点で医療関係者と教育関係者が100%、60歳以上の高齢者が70%、40~59歳が46%、30~39歳が43%となっている。

(注1)発症日ベースの統計は後から感染が確定して追加されることが多いため、最終的には1日当たり7,000人前後になると推定される。

(注2)感染症に脆弱な病気を患っている場合、例外的に12歳以上でも接種対象となる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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