米USTR、カナダのデジタルサービス税法案撤回を求める意見提出、導入なら報復関税を示唆

(米国、カナダ)

ニューヨーク発

2022年02月24日

米国通商代表部(USTR)は2月22日、カナダ政府に対し、同国政府が検討しているデジタルサービス税(DST)法案の撤回を求めるコメントを提出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

カナダ政府が導入を計画するDSTは、カナダのユーザーのデータやコンテンツ提供などに依拠する特定のデジタルサービス、カナダのユーザーデータの販売などから大企業が得る一定の収入に対し、3%の税率を適用するというもの。カナダ政府はDST法案の議会提出に先立ち、2月22日まで利害関係者から意見募集を行っていた(2021年12月23日記事参照)。

USTRはコメントで、カナダの一方的措置が他国による同様の措置を招きかねないと指摘した。カナダも参加している、2021年10月の国際課税に関するOECD合意(2021年10月14日記事参照)に基づく多国間交渉に建設的に関与するよう求めた。

また、DSTが米国企業を狙い撃ちする一方、同様のビジネスを行うカナダ企業を対象から除外しているとの懸念を示した。カナダのDSTは、フランスなど他国のデジタル課税と同様の性質を持つ、と指摘し、米国の1974年通商法301条に基づく報復措置の対象となり得るとした(注)。

米国はこれまでも、カナダのDST法案に一貫して反対を表明してきた。USTRのジェイミー・ホワイト次席代表が2022年1月にカナダのデビット・モリソン国際貿易次官とバーチャル形式で会談した際にも、DSTの導入計画に懸念を伝えている(2022年1月14日記事参照)。一方、カナダのクリスティア・フリーランド副首相兼財務相の報道官は、OECD合意が予定どおり実施され、DSTが不要となることを望むとしつつ、カナダ国民の利益を保護するため、政府はDSTの計画を推し進める意向、と説明している(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版2月22日)。

(注)USTRは、デジタル課税導入を理由にフランスを含む欧州5カ国およびトルコ、インドに対し、301条に基づく報復関税の発動を発表していたが、2021年10~11月にはそれら7カ国と、OECD合意に基づく国際課税ルールの見直しが施行されるまでの経過措置に合意し、報復関税措置は未発動のまま終了している(2021年10月22日記事参照)。

(甲斐野裕之)

(米国、カナダ)

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