海南省、遊園地の遊具を「ゼロ関税」リストの対象に

(中国)

広州発

2022年02月18日

中国財政部は2月14日、海南自由貿易港における自社用生産設備の輸入に対するゼロ関税措置の適用対象を拡大すべく、政策を調整する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、「本通知」)を発表、即日施行した。

これまで同港では、財政部、税関総署、国家税務総局が2021年3月4日に「海南自由貿易港自社用生産設備ゼロ関税政策に関わる通知」(以下、「2021年3月通知」)で発表したネガティブリストに基づき、同リスト掲載品目を除きゼロ関税措置を適用してきた。

「本通知」では、従来のネガティブリストの項目自体は変更されず、ゼロ関税の適用対象となる範囲が2点において拡大されたかたちだ。

1点目は、適用対象となる生産設備の定義の拡大。これまでは生産設備として、インフラ建設、加工・製造、研究開発・設計、検査・保守、物流・倉庫、医療サービス、文化・体育・旅行などの生産経営活動に必要な設備などが具体的な対象例に挙げられていた。「本通知」では、ローラーコースターや回転木馬など遊園地の設備8品目を「観光業に必要な生産設備」として対象に追加した(注1)。

2点目は、これまで企業のみとしていた適用対象の拡大。海南省全域で保税運営が開始される前に、同港内で登記し、独立法人資格を持つ公立病院、科学研究機関などの事業体も対象とされた。

同港は、2020年6月に発表された「海南自由貿易港建設総体方案」に基づき、最終的には島内全域で「関税ゼロ」とするなど、貿易の自由化を実現する計画だ(2020年6月12日記事参照)。これまでに先行措置として、原材料・補助材料(2020年11月25日記事参照)、船舶・航空機などと遊覧船(2021年1月12日記事参照)、生産設備(2021年4月5日記事参照)の3分野に関し、相次いでゼロ関税を適用するための対象リスト(注2)が発表されてきた。同方案発表時の商務部の王受文副部長の発言によれば、省内住民向け消費品の輸入に関するゼロ関税リストも今後公表される見込み。

なお、2020年12月1日に初めて前述の原材料・補助材料でゼロ関税政策が実施されてから2021年末までに、ゼロ関税の対象となった輸入貨物の累計付加価値額は58億8,000万元(約1,058億4,000万円、1元=約18円)となり、企業は累計10億6,000万元の税金支払いが減免された(海口日報1月20日)。

(注1)追加対象品目リストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は「本通知」の添付資料として財政部ウェブサイトに掲載されている。

(注2)生産設備ではネガティブリストにより、原材料・補助材料および船舶・航空機などと遊覧船については、ポジティブリストによりゼロ関税措置が適用されている。

(梁梓園)

(中国)

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