中国政府、韓国に対するRCEP協定税率の適用品目・税率を発表

(中国、韓国)

北京発

2022年01月20日

中国国務院の関税税則委員会は1月13日、「韓国原産の一部輸入貨物に対する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定税率実施に関する公告」(税委会公告〔2022〕1号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2月1日から適用するRCEP協定に基づいた韓国原産の輸入貨物に対する税率と対象品目を発表した。2023年以降は1月1日から2回目の引き下げ税率を適用する(注1)。

中国側の税関統計では、2021年の韓国との貿易総額は前年比26.9%増の3,623億5,106万ドルで国・地域別で第5位、うち輸出は32.4%増の1,488億6,403万ドル、輸入は23.3%増の2,134億8,703万ドルで、それぞれ6位と4位だった(注2)。

21世紀経済研究院の于長洹研究員は、RCEPの影響は中国の各地域の産業構造によって異なるとした上で、「浙江省ならば、韓国やASEANが中国から輸出する自動車や部品、機械・電気製品、化学工業品、紡績製品、建材などに対して今後さらなる関税削減を実施することとなっており、関連する業界にとっては新たな発展のチャンスとなる」としている(「21世紀経済報道」2022年1月6日)。

中国と韓国の間では既に2015年に自由貿易協定(FTA)が発効しており(2015年12月28日記事参照)、最長20年で韓国は92%、中国は91%の商品の関税を撤廃する予定とされている。直近では、1月1日から同FTAに基づいた8回目の関税引き下げが行われている(2021年12月23日記事参照)。

(注1) 韓国では、2月1日からRCEP協定が発効する。協定の関税撤廃スケジュールは、協定発効日に1回目(1年目)の引き下げが始まる。2回目(2年目)は、日本、インドネシア、フィリピンが発効日から最初の4月1日、それ以外の12カ国が最初の1月1日に引き下げ、以降、毎年4月1日または1月1日にそれぞれ引き下げる。RCEP協定の発効後に締約国となった国に適用する関税撤廃のスケジュールも、協定の発効日に効力が生じたものとみなされる(2021年12月9日記事参照)。

(注2)海関総署が発表した国・地域別の貿易額から順位を算出した。ASEANとEUを含む順位。EUは英国を含まない27カ国の金額(2022年1月19日記事参照)。

(河野円洋)

(中国、韓国)

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