東北3省、2021年のGRP成長率は6%前後

(中国)

大連発

2022年01月31日

中国東北3省の各統計局の発表(注1)によると、2021年の実質域内総生産(GRP)は、遼寧省が前年比5.8%増の2兆7,584億元(約49兆6,512億円、1元=約18円)、吉林省が6.6%増の1兆3,236億元、黒龍江省は6.1%増の1兆4,879億元となった(添付資料表参照)。

3省とも2020年の成長率(遼寧省:0.6%、吉林省:2.4%、黒龍江省:1.0%、2021年2月1日記事参照)を大きく上回ったが、中国全体の成長率(8.1%、2022年1月19日記事参照)は下回った。また、2021年通年の成長率は、同年1~9月期の成長率(遼寧省:7.4%、吉林省:7.8%、黒龍江省:8.0%、2021年11月5日記事参照)よりも低下しており、足元の経済は減速している。

コスト上昇による中小零細企業の経営環境の悪化(吉林省)など、課題を指摘した地域もあったが、3省とも全体として安定的に経済回復したと総括している。なお、2022年のGRP成長率目標は遼寧省が5.5%以上、黒龍江省が5.5%前後、吉林省が6.0%前後としている。

遼寧省はイノベーション、デジタル化推進に注力

遼寧省統計局によると、2021年の一定規模以上(注2)の工業生産増加額(付加価値ベース)の伸び率は目標の8%に対し4.6%にとどまったが、ハイテク産業は同12.9%と2桁の伸びを示した。工業製品の生産量では新エネルギー車(2.2倍)、サーバー(94.5%増)、集積回路(42.8%増)、光ケーブル(18.5%増)などが好調だった。遼寧省政府は2022年の産業政策として、イノベーションを創出する企業や人材の育成・支援、経済のデジタル化促進に注力する方針を打ち出している。

(注1)各省の統計発表日は以下のとおり。遼寧省:1月26日、吉林省:1月25日、黒龍江省:1月24日。

(注2)当該年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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