東北3省の2020年GRP成長率、吉林省は中国全体を上回る

(中国)

大連発

2021年02月01日

中国・東北3省の遼寧省、吉林省、黒龍江省の2020年の域内総生産(GRP)は、遼寧省が前年比0.6%増の2兆5,115億元(約40兆1,840億円、1元=約16円)、吉林省が2.4%増の1兆2,311億3,200万元、黒龍江省が1.0%増の1兆3,698億5,000万元となった(添付資料表参照)。東北3省では、吉林省のみ中国全体(2.3%増)の成長率を上回った。1~9月の成長率と比較すると、遼寧省は1.7ポイント、吉林省は0.9ポイント、黒龍江省は2.9ポイント拡大した(2020年11月6日記事参照)。

産業別の成長率をみると、遼寧省の第一次産業と吉林省の第二次産業の伸び率が中国全体を上回り、特に吉林省の第二次産業(5.7%増)は中国全体を3.1ポイント上回った。一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額と固定資産投資総額の伸び率では、吉林省と黒龍江省が中国全体を上回り、特に吉林省の工業付加価値額は全国で2番目に高い伸び率となった。その他、遼寧省と吉林省の都市部住民1人当たりの平均可処分所得額と吉林省の対内直接投資額も中国全体を上回った。

一定規模以上の企業の工業付加価値額の伸びを産業別にみると、東北3省の重点産業の多くが1~9月を上回った。遼寧省では、石油化学工業(3.9%増)のほか、農産品加工業(2.4%増)、冶金(やきん)工業(1.9%増)、設備製造業(1.3%増)など、主要な産業の伸びがいずれも1~9月を上回った。吉林省では、自動車製造業(12.8%増)が中国全体を6.2ポイント上回り、設備製造業(8.4%増)、医薬品産業(1.9%増)、石油化学工業(0.6%増)が1~9月を大幅に上回った。黒龍江省は、設備工業(13.5%増)と石油化学工業(10.5%増)が2桁の伸びとなり、設備工業については、汎用設備製造業、自動車製造業と電気機械・器材製造業がそれぞれ38.7%増、35.5%増、22.2%増と特に伸びが大きかった。

2020年の経済について、東北3省の統計局は「経済は四半期ごとに安定的に回復している」(遼寧省)、「経済は四半期ごとに回復の勢いが加速している」(吉林省)、「経済は徐々に回復している」(黒龍江省)と、それぞれ経済復調に言及している。

(注)その年の主な事業による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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