11月29日以降の新型コロナ警戒信号の色発表、北西部が黄色に後退

(メキシコ)

メキシコ発

2021年11月29日

メキシコ連邦保健省は11月26日、国内各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)の11月29日以降に適用する色を発表した。全国32州のうち、5州が黄色、27州が緑となり、オレンジが1州、緑が4州それぞれ減って、黄色が5州増えた。今回、バハカリフォルニア州がオレンジから黄色に前進したが、南バハカリフォルニア州、ソノラ州、チワワ州、コアウイラ州の北西部4州が緑から黄色に後退した。進出日系企業の多い州では、バハカリフォルニア州、チワワ州、コアウイラ州が黄色、アグアスカリエンテス州、メキシコ市、グアナファト州、ハリスコ州、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州、タマウリパス州、サカテカス州が緑。

発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、全国の新規発症者数は第31週(8/1~7)をピークに14週連続で減少しているが、北西部を中心に感染が再び増加している州もあり、減少している州でも下げ止まり感がみられる。第45週(11/7~13)の発症者数は1万5,643人(1日当たり2,235人)で、ピーク時の11.8%の水準まで低下している(注)。病床利用率は11月25日時点で一般病床が17%、人工呼吸器付き病床が13%。

15~17歳に対するワクチン接種開始

連邦保健省が11月25日午後5時に発表した資料によると、ワクチン接種を1回でも終えているのは7,616万4,064人で、成人人口の85.1%。所定の回数を接種済みの国民は6,461万8,673人で、同72.2%となっている。

同省は11月16日、感染症に対して弱い病気にかかっているかどうかにかかわらず、15歳以上の全ての未成年に対するワクチン接種を開始すると発表し、接種のための事前登録を呼びかけた。既に11月24日から幾つかの州で接種が開始され、首都メキシコ市では30日に始まった。若い人口構成のメキシコでは、未成年(18歳未満)が全人口の30.6%を占めるため、未成年者へのワクチン接種は感染抑制の観点から重要な意味を持つ。連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)は、ファイザー製ワクチンの12歳以上への使用を承認しているが、感染症に弱い病気にかかっていない12~14歳に対する連邦政府の接種方針については、現時点では明らかになっていない。

(注)発症日ベースの統計は後から感染が確定して追加されることが多いため、最終的には1日当たり2,500人前後になると推定される。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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