トヨタ、米国内にEV用バッテリー工場建設へ

(米国、日本、韓国)

ニューヨーク発

2021年10月19日

トヨタ自動車は10月18日、米国で2030年までに約34億ドルを投資し、バッテリー式電気自動車(BEV)用バッテリー工場を米国内に建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは同社が9月に発表したバッテリーの開発・生産に向けた世界での総投資額約135億ドルの一部。今回発表した豊田通商との新会社による新工場には、2031年までに12億9,000万ドルを投資し、2025年の生産開始を目指す。1,750人の新規雇用も見込む。なお、今回の発表では立地を含む事業の詳細については明らかにされていない。

トヨタは米国で2030年までにBEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)、燃料電池車(FCV)を合わせた電動車の販売台数を全新車の7割に引き上げることを見込んでおり、そのうちBEVとFCVが15%を占める。また、電動車を2025年までに約70車種、市場に投入することを計画しており、うち15車種がBEVとなる予定だ。トヨタは2021年4月の上海モーターショーでBEVクロスオーバー「bZ4X」のコンセプト車を発表し、米国での2022年の発売が報じられている。

北米トヨタの小川哲男最高経営責任者(CEO)は「今回の投資により、米国の消費者にとって手頃な価格の電動車を提供し、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅な削減に貢献するとともに、モビリティーの将来に欠かせない米国での雇用創出にもつなげていく」と述べている(公式ホームページ)。

相次ぐ国内バッテリー生産計画

2021年1月に就任したジョー・バイデン大統領は、製造業のサプライチェーンの国内回帰と国内産業基盤強化に重きを置く政策を提言している(2021年3月24日記事参照)。こうした動きを受け、最近では自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)がオハイオ州とテネシー州に、韓国のバッテリーメーカーLGエナジーソリューションズとの合弁によるバッテリー工場建設を発表(2021年4月19日記事参照)したほか、フォードがテネシー州とケンタッキー州に、同じく韓国メーカーのSKイノベーションとの合弁によるバッテリー工場建設を発表(2021年9月29日記事参照)しており、自動車の電動化でも米国内での生産体制増強の傾向がみられる。

(大原典子)

(米国、日本、韓国)

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