10月4日以降の新型コロナ警戒信号の色発表、赤はゼロ、オレンジも1州に

(メキシコ)

メキシコ発

2021年10月04日

メキシコ連邦保健省は10月1日、同月4日以降に適用する各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)の色を発表した。全国32州のうち、赤はゼロ、1州がオレンジ、22州が黄色、9州が緑となり、オレンジが3州、黄色が2州それぞれ減り、緑が5州増えた。多くの州で信号の色が好転するか維持したが、バハカリフォルニア州のみ黄色からオレンジに後退した。進出日系企業が多い州では、バハカリフォルニア州がオレンジ、アグアスカリエンテス州、コアウイラ州、メキシコ市、グアナファト州、ハリスコ州、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州、タマウリパス州が黄色、チワワ州、サカテカス州が緑。

発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、新規発症者数は第31週(8/1~7)をピークにその後は減少を続けており、第37週(9/12~18)の発症者数は4万9,804人(1日当たり7,114人)でピーク時の37.9%の水準まで低下している(注)。病床利用率も9月30日時点で一般病床が32%、人工呼吸器付き病床が29%まで低下した。

連邦保健省によると、メキシコは10月1日までに1億1,835万5回分のワクチンを製薬会社から受領しており、その受領分の86.0%に相当する1億178万2,415回分を接種済み。現時点で6,404万8,979人に対して、少なくとも1回の接種が完了している(人口比49.7%、成人人口比71.6%)。このうち4,579万4,439人(成人人口比51.2%)については2回目も接種済み、あるいは1回で済むカンシノやヤンセンを接種済み。ワクチン接種率(1回接種人数の成人人口比)が最も高い州は首都メキシコ市で94%、ケレタロ州(92%)、キンタナロー州(87%)、シナロア州(86%)、サンルイスポトシ州とユカタン州(それぞれ85%)と続く。ここ1カ月は首都メキシコ市などワクチン接種率が高い州の感染者数減少が目立つようになり、逆に、ワクチン接種率が59%と5番目に低いグアナファト州では、感染者数が高止まりしている。

連邦保健省は9月28日、感染症に対して弱い病気などを患っている12~17歳の若年層に対するワクチン接種ガイドラインを発表した。大きく分けて8種類の病気の患者に加え、妊娠している女性も接種対象となる。これらの若年層に対する連邦保健省ウェブサイト上のワクチン接種登録が開始されており、ファイザー社のワクチン接種が近く始まる。現時点では、個別に裁判などでワクチン接種を受ける権利を得た若年層にのみ、接種が行われている。

(注)発症日ベースの統計は後から感染が確定して追加されることが多いため、最終的には8,000人前後になると推定される。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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