低排出ガス車の消費行動に関して専門家会議が報告書公表

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年10月25日

ドイツ連邦政府主導の専門家会議「国家プラットフォーム 未来のモビリティー(NPM)」(2019年4月10日記事参照)に属する6つのワーキンググループ(WG)のうち、WG2「代替燃料・駆動」が10月13日、「次世代自動車推進のカギとなる顧客の受容性」と題した報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。同報告書は、消費者のバッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の購入行動をインタビューやアンケートを通じて明らかにしたもの。

低排出ガス車(注)の国内保有台数は7月に100万台を超えたが(2021年8月6日記事参照)、連邦政府は2030年までに1,400万台に引き上げる目標を掲げている。しかし、同報告書は、将来的にBEVまたはPHEVを購入したい消費者は必ずしも多くなく、消費者のBEVとPHEVに対する受容性を高めない限り普及が頭打ちとなる可能性を指摘した。

購入者へのインタビューでは、(1)新車購入補助金(2020年7月15日記事参照)、(2)環境保護意識、(3)走行性がBEVやPHEVの購入の主な動機と判明した。また、自身が既に知っている車両モデルがBEVやPHEVのラインナップを有するかも重要な動機の1つだった。PHEV購入に特徴的な動機としては、BEVに比べて航続距離が長い点だった。

一方、自動車ディーラーなど専門家へのインタビューでは、新車購入補助金、試乗、走行性に加え、自宅に太陽光発電設備を持つかどうかがBEVやPHEVの購入動機になっているとする指摘があった。PHEV購入者の約4分の1、BEV購入者の約3分の1以上が自宅に太陽光発電設備を有する。自宅に太陽光発電施設があるためBEVやPHEVを購入したケースと、BEVやPHEVを購入したので自宅に施設を設けたケースの両方があるという。

1,015人の消費者へのアンケートでは、新車購入補助金、環境保護の意識に加え、総保有コストが安いとの判断がBEVやPHEV購入の動機だった。その他、BEVやPHEVに関する知識・経験の有無が消費行動に影響を及ぼした。過去1年以内に内燃機関搭載車(ICE)を購入した回答者(343人)のうち、59%はBEVやPHEVを「運転経験なし」、85%は「充電経験なし」と回答。一方、BEVやPHEVの利用経験がある人やBEVやPHEVを有する知り合いがいる人の場合、BEVやPHEVへの評価は高い。このため、報告書は提言の1つとして、消費者がBEVやPHEVについて情報を得、体験する機会を持つことが受容性向上に寄与するとしている。

報告書はそのほか、(1)ICE、BEV、PHEVの総保有コスト分析、(2)利用しやすい充電施設の設置、(3)電動車の航続距離に関する情報提供、(4)BEVやPHEVの環境保護への寄与に関する情報発信が消費者の受容性向上、ひいては販売台数増に寄与すると提言している。

(注)低排出ガス車には、BEV、PHEVに加え、燃料電池車(FCEV)を含む。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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