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米エネルギー省、太陽光発電導入のシナリオ発表、2035年までに4割供給へ

(米国)

ニューヨーク発

2021年09月10日

米国エネルギー省(DOE)は9月8日、2035年までに電力部門の脱炭素化を達成するためには、太陽光発電による構成比が2035年までに40%程度になるとの試算を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。DOEは8月に、2035年までに太陽光発電による構成比を40%以上にする可能性があるとする報告書を発表したが(2021年8月23日記事参照)、今回はこの報告書内容をさらに精緻化して、3つのシナリオを設定し、太陽光をはじめとした再生エネルギー発電が今後どのように推移するかを試算したものだ。

設定したシナリオは、(1)バイデン政権の公約に沿って2035年までに電力部門の95%(注1)を脱炭素化する「脱炭素化」シナリオ、(2)「脱炭素化」シナリオに加えて、交通や建物などで電化が進み、電力需要が社会全体で大幅に増加する「脱炭素化+電化」シナリオ、(3)現行政策だけでの対応となる「参考シナリオ」の3つ。

標準シナリオの(1)「脱炭素化」シナリオでは、2035年に太陽光発電の総量は760ギガワット(GW、注2)~1,000GW必要となり、これは2035年時点の電力の総需要の37~42%を占めるとし、その他の再生エネルギー発電の構成比は風力36%、原子力11~13%、水力5~6%、バイオマス・地熱1%になると試算している。太陽光発電の構成比の現状は3%、約80GWで、2020年には15GWの発電容量の追加があったが、上記の実現のためには、発電容量の追加を2020年代初頭から年間平均30GWに高め、2025年から2030年に同60GWの容量を追加していく必要がある。また、電力部門の脱炭素化には2020年から2050年にかけて5,620億ドルの追加コストが発生するが、気候や大気の改善によって気候変動対策費が社会全体で減少するため、トータルではネットで1兆7,000億ドルのコストが節約される。なお、技術の向上によって太陽光発電のコストが下がり、電力需要に対する柔軟性も強化されるため、電気代は2035年まで上昇せずに電力供給の95%が脱炭素化を達成できるとしている。

バイデン政権は2030年までに2005年比で温室効果ガス(GHG)50~52%削減、2050年にカーボンニュートラル達成という目標を掲げており、2021年後半にこれに向けた国家気候戦略を作成予定としている(2021年4月23日記事参照)。2020年の再生エネルギー発電の構成比は20%弱だったが(2021年7月12日記事参照)、電力部門の脱炭素化を前提とした今回の試算が同戦略に盛り込まれる見込みの今後のエネルギーミックスに影響を与える可能性がある。

(注1)バイデン政権の公約は2035年までの電力部門の100%脱炭素化だが、本試算上の95%とは、太陽光発電の構成比に違いはないとしている。

(注2)1ギガワット=1,000メガワット=100万キロワット。

(宮野慶太)

(米国)

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