9月6日以降の新型コロナ警戒信号の色を発表、赤の州がゼロに

(メキシコ)

メキシコ発

2021年09月06日

メキシコ連邦保健省は9月3日、各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)について、6日以降に適用する色を発表した。全国32州のうち、17州がオレンジ、13州が黄色、2州が緑となり、赤が7州減り、黄色が6州、緑が1州それぞれ増えた。多くの州で色が好転したが、ユカタン州のみ黄色からオレンジに後退した。進出日系企業が多い州では、アグアスカリエンテス州、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州、タマウリパス州がオレンジ、バハカリフォルニア州、コアウイラ州、メキシコ市、グアナファト州、ハリスコ州、サカテカス州が黄色、チワワ州が緑。

発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、第21週(5/16~22)から感染第3波が到来して増加(前週比5.7%増)に転じており、第22週(5/23~29)から第29週(7/18~24)までは前週比2桁の増加を記録した。その後、第30週(7/25~31)~31週(8/1~7)は前週比1桁増と伸びが鈍化し、第32週(8/8~14)は前週比4.5%減、第33週(8/15~21)は同14.1%減と減少傾向に転じている。

メキシコ市は黄色に好転、バーやナイトバー営業も50%の収容人数で認める

首都メキシコ市は今回、オレンジから黄色に好転したが、発症日別感染者数をみると、全国平均に先駆けて第30週(7/25~31)から減少に転じており、第33週(8/15~21)は前週比19.8%の減少となっている。メキシコ市のワクチン接種率(少なくとも1回接種)は成人人口比90%に達しており、市当局はその効果が表れているとしている。市政府は9月3日、新型コロナウイルス警戒信号が黄色に好転したことを受け、経済活動の規制緩和を発表した。今までは営業を禁止していたバーやナイトバーなども、50%までの収容率で午前0時まで許可する。オフィスワークの出勤率制限についても、6日からは80%まで出勤が可能となる。

連邦保健省によると、メキシコは9月3日までに1億329万6,665回分のワクチンを製薬会社から受領しており、そのうち3,003万1,755回分が米国ファイザー、3,821万9,500回分が英国アストラゼネカ(一部は国内でパッキング)、2,000万回分が中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、465万回分がロシア国立ガマレヤ研究所、729万5,410回分が中国の康希諾生物〔カンシノ・バイオロジクス(国内でパッキング)〕、135万回分が米国ジョンソン・エンド・ジョンソンのヤンセンファーマ、175万回分が米国のモデルナとなっている。9月2日午後9時時点で受領分の83.6%に相当する8,630万7,586回分を接種済み。現時点で5,847万2,846人に対して少なくとも1回の接種が完了している(人口比46.4%、成人人口比65.3%)。このうち2,344万652人は2回目も接種済み、あるいは1回で済むカンシノやヤンセンを接種済み。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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