8月9日以降の新型コロナ警戒信号、メキシコ市含む6州が赤に後退

(メキシコ)

メキシコ発

2021年08月10日

メキシコ連邦保健省は8月6日、同月9日以降に適用する各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)の色を発表した。全国32州のうち、7州が赤、15州がオレンジ、9州が黄色、緑は1州のみとなった(添付資料表1参照)。全国的な感染拡大を反映し、緑が2州、黄色が6州減り、オレンジが2州、赤が6州増えた。メキシコ市、ヌエボレオン州、ハリスコ州、コリマ州、ゲレロ州、ナヤリ州がオレンジから赤に後退した。緑を維持したのはチアパス州の1州のみ。進出日系企業が多い州では、メキシコ市、ヌエボレオン州、ハリスコ州が赤、メキシコ州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州、サカテカス州、タマウリパス州、サカテカス州がオレンジ、バハカリフォルニア州、アグアスカリエンテス州、グアナファト州が黄色。

メキシコでは6月以降、全国的に新型コロナの感染第3波が到来しており、発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、第21週(5/16~22)から増加(前週比5.8%増)に転じており、前週比で第22週(5/23~29)~第24週(6/6~12)は20%前後、第25週(6/13~19)~第26週(6/20~26)は30%強、それぞれ増加し、第27週(6/27~7/3)は51.0%の急増となった。その後も、第28週(7/11~17)は25.3%、第29週(7/18~24)は23.5%と増加が続いている。

メキシコ市当局の信号情報はオレンジ維持

メキシコ市当局は、8月6日に新型コロナウイルス警戒信号情報について、前週に引き続きオレンジと発表しており、保健省が赤とした後も、「オレンジを維持する」とあらためて発表している。同市のクラウディア・シェインバウム市長は「確かに難しい局面にはあるが、ワクチン接種の前進によって改善がみられる」とし、過去10日間に入院患者の増加数が安定していることや、50歳以上の市民の90%がワクチン接種を完了していることなどを理由に、連邦政府の信号情報を支持しない考えを示した。8月8日に保健省が発表した資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、18歳以上のメキシコ市民のうち86%が少なくとも1回のワクチン接種を受けている。

保健省によると、8月8日時点で9,112万1,345回分のワクチンを受領済みで、1回でも接種を終えた人数は5,083万5,215人で、18歳以上の人口比で56%を占めている。

なお、警戒信号に用いる指標のリスクポイント判定レンジの変更は添付資料表2、総合ポイントに基づく信号の色の判定レンジ変更については同表3参照。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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