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英豪FTA、主要分野で合意、EU継続協定以外で初

(英国、オーストラリア)

ロンドン発

2021年06月16日

英国政府は6月15日、交渉中のオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)の主要分野について合意したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。近日中に最終的な原則合意の詳細を発表するとしている。

オーストラリアとのFTAについて、エリザベス・トラス国際通商相は、EU離脱(ブレグジット)前にEUとの間にFTAがなく、英国がゼロから交渉を開始したFTAとしては初めて合意したものとなるとツイートした(注1)。オーストラリア以外では、ニュージーランド、米国との間で交渉が続いている(2020年5月8日記事6月25日記事参照)。

英国政府によると、2020年の英国とオーストラリアの貿易額は139億ポンド(約2兆1,545億円、1ポンド=約155円)で、英国側は自動車、ウイスキー、ビスケット、陶器などの輸出拡大を見込んでいる。最大の争点となった国内農畜産業への影響については、英国農業者連合(NFU)が2021年3月、生産規模が大きく生産コストが低いオーストラリア産品により英国内市場での英国産品の競争力が損なわれるとの懸念を示していた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。しかし今回、オーストラリアからの羊肉や牛肉の輸入に対し、関税割当により関税撤廃までの移行期間である10年間は無関税の輸入に上限を設け、さらに関税撤廃後も5年間は上限超過分にセーフガードによる関税を適用することで、関連事業者を保護する内容で合意した。

物品貿易以外でも、関係を強化する。オーストラリアは英国人に対するワーキングホリデーの要件を緩和し、年齢上限を35歳に引き上げる。また、サービス分野では、専門資格の相互承認を導入するなどして、相互の市場アクセスを円滑にする。

政府はこのFTAで、オーストラリアも加盟する「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」への加盟交渉(2021年6月3日記事参照)に弾みがつくことを期待している。

EU継承FTAの刷新も

英国は、2022年末ごろまでに貿易総額の80%をFTAで網羅することを目標に掲げ(2020年2月7日記事参照)、英豪FTA以外の新たなFTA締結に向けても積極的に動いている。直近ではCPTPPに加え、インドとのFTA交渉開始に向け(2021年5月13日記事参照)、2021年5月25日に意見公募外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを始めている。

このほか、英国は6月4日には、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインとの間で、新たな通商協定に原則合意している外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。EUとともに欧州経済領域(EEA)を構成するこれら3カ国とは、ブレグジット後の移行期間終了前に後継となる協定を発効させていたが(注2)、今回合意した協定ではデジタル貿易や小企業の取り決めを盛り込むなど、より野心的なものとなっている。継続協定から新協定に刷新する試みは、カナダなどとの間でも追求しており、新たなFTAの締結とともに、こうしたEU継続協定の新協定への置き換えも進むとみられる。

(注1)日英EPA(経済連携協定)などは、英国のEU離脱時に日EU・EPAなどEUとの間でFTAがあったことから、今回の英豪FTAを「初」としている。

(注2)ノルウェーとアイスランドの2カ国とは2020年11月に暫定FTA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに合意(2020年11月30日記事参照)。リヒテンシュタインとの間では、同国、スイス、英国の3カ国FTA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発効している。なお、スイスとの間には別途2国間協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも存在。

(宮口祐貴)

(英国、オーストラリア)

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