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米メディアや識者、日米首脳による対中関係の文脈に着目

(米国、日本、中国)

ニューヨーク発

2021年04月20日

4月16日にワシントンで開催された日米首脳会談(2021年4月19日記事参照)を受けて、米国のメディアや有識者の多くは、地政学的な影響力を高める中国との関係で両首脳が協力を明確に示した点に着目している。主な反応を紹介する。

菅義偉首相とジョー・バイデン米国大統領は共同声明(2021年4月19日記事参照)の中国に関する文言で、「ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有」した上で、東シナ海や南シナ海での中国の行動に反対を表明した。さらには「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」とした。これらは、3月に両国の外務・防衛閣僚間で開催した日米安全保障協議委員会(いわゆる2+2)の共同発表(英語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))を踏襲したものだが、首脳間であらためて確認した。

訪米中の菅首相に単独インタビューを行った米誌「ニューズウィーク」は「中国との緊張が高まる中、ジョー・バイデン(大統領)は日本の菅義偉(首相)を新たな『同盟総司令官』とみる」と題した記事の中で、中国との競争における共通の利益を背景に強化された日米同盟は、もはや米英関係のみが米国にとっての「特別な関係」ではないことを意味する、と緊密化する日米関係を強調している(同誌電子版4月18日)。この記事には、トランプ政権で大統領補佐官(安全保障担当)を務め、現在は保守系シンクタンクのハドソン研究所の日本部長を務めるヘンリー・マクマスター氏も「日米関係は米国が有する最も重要な同盟関係だ」とのコメントを寄せている。

中道左派系シンクタンクのブルッキングス研究所で日本部長を務めるミレヤ・ソリス氏も、両首脳は新型コロナウイルスや気候変動、イノベーションなど具体的な課題分野で「能力のある民主主義」を強調し、今後、日米同盟がグローバルに展開していく道筋を示したと分析し、会談を成功と評価している(ブルームバーグ4月18日)。対中関係では、特に日本が中国と密接な経済関係を有する観点から、中国の行動に懸念を表明しつつも、「平和的な解決」や「率直な対話」といった文言が共同声明に加えられた点は注目に値すると指摘した。

技術面での連携という観点からは、「ニューヨーク・タイムズ」紙が、第5世代移動通信システム(5G)の構築に関して、両国がそれぞれ20億ドル以上の規模の投資を明言した点を取り上げている。バイデン大統領の側近が、同盟国と連携しなければ、世界のインターネット通信が華為技術(ファーウェイ)をはじめとする中国製半導体に依拠するようになり、米国の安全保障に壊滅的な影響を与えると警告したとされる(同紙電子版4月16日)。中国のハイテク企業に関しては、トランプ政権が安全保障などを理由に米国製品の輸出管理を厳しくしてきたが、バイデン政権もその方針に変更はなく、最近では中国のスーパーコンピュータ関連企業を厳格な輸出管理対象に加えている(2021年4月9日記事参照)。

(磯部真一)

(米国、日本、中国)

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