UAEとイスラエルの政府間協議進む、ベルリンで初の外相会談

(中東、アラブ首長国連邦、イスラエル、ドイツ)

ドバイ発

2020年10月09日

アラブ首長国連邦(UAE)のアブダッラー外務・国際協力相とイスラエルのアシュケナジ外相は10月6日、ドイツ・ベルリンで会談を行った〔10月6日付UAE国営エミレーツ通信社(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。8月に国交正常化に合意した(2020年8月14日記事参照)後、両国外相が顔を合わせるのは今回が初めて。9月に米国で正式に署名した多分野の協力事項(2020年9月17日記事参照)の進捗と見通しや、新型コロナウイルスへの対応に関する協力(2020年8月18日記事参照)についての確認を行った。

ドイツのハイコ・マース外相が立ち会った共同声明で、アブダッラー外相は、今回の国交正常化合意を「地域安定化に向けたUAEの新しいビジョンの一環」と位置付けた上で、「中東は新しい時代に入った」とその意義を強調、約30年前のベルリンの壁崩壊にも触れ、「われわれはここでまた歴史をつくっている」と述べた(10月6日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。3カ国外相は会談に先立って、市内中心部の「ホロコースト記念碑」で面会、ゲストブックに署名した。

UAEとイスラエルは現在までに、医療分野や金融分野の連携(2020年9月2日記事参照)、貿易・投資の促進(2020年9月17日記事参照)など、さまざまな分野で対話を開始し、協力の枠組みを構築してきている。

10月1日には、両国のエネルギー相と米国エネルギー長官が共同で、同分野での協力に向けた戦略的ビジョンを発表(10月1日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。再生可能エネルギーや、石油・ガス資源と関連技術、海水淡水化技術などの領域で一層の協調をすることに合意した。

さらに7日には、リーム国際協力担当国務相がイスラエルのオフィール地域協力相、コーヘン情報相と立て続けに会談(10月7日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。コーヘン情報相は参加を表明しているドバイ万博(2019年11月22日記事参照)について、「予定どおりイスラエル館の工事が進行している」と述べた。また、サウジアラビアの現地紙は9月8日付で、UAEとイスラエルの貿易が「年間40億ドルに達する」との見方をコーヘン情報相が示したと報じている。

(田辺直紀)

(中東、アラブ首長国連邦、イスラエル、ドイツ)

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