8月3日以降の新型コロナ感染信号を発表、16州が赤、16州がオレンジ

(メキシコ)

メキシコ発

2020年08月03日

連邦保健省は7月31日、8月3日以降の15日間に適用される各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事参照)を発表した。7月下旬から原則として、連邦の信号発表は15日ごとに行われることとなった。

8月上旬の信号の色は全国32州のうち、16州がオレンジ、16州が赤となった。進出日系企業が多い州では、コアウイラ州、ハリスコ州、ヌエボレオン州、サンルイスポトシ州、タマウリパス州、サカテカス州が赤、グアナファト州、メキシコ市、ケレタロ州、アグアスカリエンテス州、チワワ州がオレンジとなっている(詳細は添付資料を参照)。進出日系企業の数が最も多いグアナファト州は、連邦の信号ではオレンジに戻ったが、州政府が独自の信号システム(2020年5月26日記事参照)を採用しており、8月3~9日は依然として赤信号だ。

9州の州知事が連邦保健省のロペス-ガテル次官の辞任を要請

新型コロナウイルス警戒信号の色をはじめ、新型コロナウイルス対策をめぐる連邦政府と州政府の間の溝はますます深くなっている(2020年6月8日記事参照)。アグアスカリエンテス、コアウイラ、コリマ、ドゥランゴ、グアナファト、ハリスコ、ミチョアカン、ヌエボレオン、タマウリパスの9州の州知事は7月31日、連名で書簡を出し、連邦政府に対し、保健省のウゴ・ロペス-ガテル予防健康促進担当次官の辞任を要求した。

ロペス-ガテル次官が率いる新型コロナウイルス感染予防・抑制策は失敗し、多数の死者をもたらしただけでなく、経済活動の深刻な後退を招いたとしている。また、次官の感染件数の増加や収束に関する見通しが大きく外れただけでなく、発言の首尾一貫性がなく、マスク着用の科学的効果を否定する発言などを繰り返したことで、感染者をいたずらに増やしたとしている。また、7月30日に連邦保健省の別の人物が、新型コロナウイルス感染が拡大したのは連邦政府の信号に従わない州の責任であり、州政府が法的にも政治的にも責任を取るべきと発言したことに触れ、一方的な責任の押し付けだとして、反感の意をあらわにしている。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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