ブラジルテーマパーク向け設備機材の輸入関税を免除

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年11月06日

ブラジルでテーマパークやウオーターパーク向けの設備機材の輸入関税が10月24日から2021年12月末まで撤廃される。10月22日付CAMEX(貿易審議会)決議第2号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによるもので、同月24日付官報に掲載され即日発効した。具体的な品目は官報記載の10月22日付CAMEX決議第2号に記載されているNCM(メルコスール共通関税番号)で確認できる。

CAMEXは関係各省が参加して貿易政策を協議する組織で、経済省が事務局を担っている。ブラジルはメルコスール加盟国で、域内産品にはメルコスールの特恵関税が、域外産品には対外共通関税が適用される。しかし、この例外措置の1つとして、ブラジルではEx-Tarifário(エクス・タリファリオ=例外関税)と呼ばれる独自の関税減免措置が導入されている。製造業などの企業の申請を受け、CAMEXの審議を経て国産類似品がないことを前提に、資本財や情報通信関連機器、それらの部品と構成品の輸入関税減免を決定している。今回の措置はこのEx-Tarifárioに基づく措置となる。

ブラジル観光省は、これによりブラジルでの観光・レジャー部門でより多くの雇用を生み出すことを期待している。この分野は現時点で年間30億レアル(約810億円、1レアル=約27円)の売り上げ、3,000万人の顧客があり、直接雇用は1万5,000人以上、間接雇用は10万人以上と同省は説明している。マルセロ・アントニオ観光相は「設備機材の輸入関税はブラジル国内のテーマパーク改善へのボトルネックだった」として、今回の輸入関税免除の意義を強調している。

2019年1月に発足したボルソナーロ政権は、(1)オーストラリア、カナダ、米国、日本に続き、中国国籍所有者の訪問ビザ免除(2019年10月28日記事参照)、(2)国立公園3カ所の民営化(2019年9月9日記事参照)、(3)航空会社の新規参入を目的とした国際路線搭乗料の追加料金廃止(2019年10月31日記事参照)を既に発表しており、今回の措置は一連の観光振興の一環と言えそうだ。

(大久保敦)

(ブラジル)

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